空売りとは?空売りの仕組みを図解でわかりやすく解説
投資対象である現物を所有せずに、対象物を(将来的に)売る契約を結ぶ行為
出典:Wikipedia
Wikipediaでの空売りの説明は難解な日本語になっています。
この説明だけで理解出来た方は、この記事の内容を読まずとも空売りの取引が出来るので、読み飛ばして頂いても結構です。
この記事では、空売りの仕組みを最初に説明します。
次に、代表的な金融商品である
- 株
- FX(Foreign eXchange:外国為替)
- 商品先物
それぞれの空売りの仕組みとメリット・デメリットを説明しています。
空売りの仕組み
空売りとは、投資対象資産である
- 株
- FX(Foreign eXchange:外国為替)
- 商品先物
の価格が下降している局面でも利益を狙える取引手法の一つです。
買い取引とは逆で、投資対象資産が取引した価格(売却した価格)よりも下がると利益が出て、上がると損失が出ます。
空売りによって売りポジションを持っている状態を「ショート」と言います。
空売りに関する説明を、もう少し深掘りしてみます。
記事冒頭にあったWikipediaによる空売りの説明。
投資対象である現物を所有せずに、対象物を(将来的に)売る契約を結ぶ行為
出典:Wikipedia
この説明を、紐解きながら解説していきます。
説明文最初の「投資対象である現物を所有せずに、」。
金融市場における投資対象とは、
- 上場会社の株式
- 国債・地方債等の債券
- 日本円・米ドル・ユーロ等々のFX(Foreign eXchange:外国為替)
- 金(ゴールド)・原油・トウモロコシ等々の商品
これら金融商品は、現物として市場で購入・保有出来るものです。
しかし、空売りをする投資家はこれら金融商品を保有する気は更々有りません。
空売りをする投資家の目的は
- リスク回避
- 投機取引
これらのどちらかの理由だからです。
言い方が悪いですが、金儲けの為にやる取引になります。
次に、Wikipediaによる説明文後半の「対象物を(将来的に)売る契約を結ぶ行為」。
この文章が難解です。
最初に、「投資対象である現物を所有せずに、」と言ったにも関わらず、「対象物を(将来的に)売る」。
投資対象物を所有していないのに、投資対象物を売る。
本人が所有していない投資対象物を売るには、どうしたら良いでしょうか。
本人が投資対象物を手に入れる為には、他人から
- 買う
- 借りる
これらの方法しか有りません。
実際の空売りでは
この空売りでは、
- 借用したB社株式銘柄を売却・・・+10,000円
- 売却したB社株式銘柄を市場より買い戻し・・・ー8,000円
一連の取引で、+2,000円の利益が出ました。
- 貸株料
- 売買手数料
- 品貸料(逆日歩:ぎゃくひぶ)
これらのコストが掛かってきます。
貸株料・品貸料(逆日歩:ぎゃくひぶ)に関する記事はこちら
次に、金融商品毎の空売りの仕組みを理解する為に、空売りが可能な
- 株式の信用取引
- FX(Foreign eXchange:外国為替)証拠金取引・仮想通貨FX取引
- 商品・債券先物取引
これらの空売りを説明していきます。
金融商品毎の空売り
- 株式
- FX(Foreign eXchange:外国為替)証拠金・仮想通貨FX
- 商品先物・債券先物
金融商品が違えど、空売りの基本的な仕組みは一緒ですが、
- 投資対象物(現物)保有の有無
- 反対売買の期限 等々
これらの部分で多少違いがあります。
市場 | 現物の保有 | 反対売買期限 | 取引時間 | |
---|---|---|---|---|
株式の信用取引 | 株式市場 (現物市場) | あり (現物取引) | 制度信用取引・・・6ヶ月 一般信用取引・・・無期限 | 平日 9:00~11:30 12:30~15:00 |
FX証拠金取引 | 外国為替市場 | なし (差金決済) | 無期限 | 平日のみ |
仮想通貨FX取引 | 仮想通貨市場 | なし (差金決済) | 無期限 | 24時間365日 |
商品先物取引 | 商品先物市場 (先物市場) | あり (受渡・差金決済) | 限月あり | 平日 8:45~15:15 |
債券先物取引 | 債券先物市場 (先物市場) | あり (受渡・差金決済) | 限月あり | 平日 8:45~11:00 12:30~15:00 |
- 現物市場
- 先物市場
- 信用取引
- 先物取引
- 現物取引
- 差金決済
これらをイラストで表してみます。
現物市場において可能な取引は
- 現物取引
- 信用取引
の二種類あります。
信用取引は株式取引においてのみ行える投資手法になります。
- 現物市場
- 先物市場
これらの市場は、別々の市場になります。
- 現物市場・・・現物取引、信用取引
- 先物市場・・・差金決済
それぞれの市場で、上記の取引があります。
実際にそれぞれの金融商品毎に空売りの仕組みを説明していきます。
株式の空売り
株式投資の取引は二種類あります。
- 現物取引・・・証券口座の残高で株式を売買
- 信用取引・・・証券会社から資金や株を借用して株式を売買
株式投資では、株価が上がった時に利益を得ることが出来るのは当然ですが、空売り(信用売り)を利用して株価が下がっている時にも利益を出す事が可能です。
そして、株式投資で空売りをする為には、信用取引を利用する必要があります。
信用取引に関する記事はこちら
実際の株式の空売りの仕組みを見ていきます。
- 空売りは信用取引でしか行えないので、通常の証券口座開設後、信用取引口座を開設し、株式売買の資金である委託保証金を入金します。
- 空売りする会社銘柄の株式を証券会社より借用します。
投資家は、貸株料という株式借用代金を証券会社に支払います
- 証券会社より借用した株式を株式市場で売却し、売却金額が投資家の信用取引口座に入金されます。
投資家は証券会社より借用した株式を返却する義務を負っており、株式を返却するまで、この売買に関わった入金額を信用取引口座から出金する事は出来ません。投資家は、株式売却の際に掛かった株式委託手数料を証券会社に支払います - 証券会社から借用・売却した株式を証券会社に返却する為に、借用・売却した同銘柄の株式を買い戻す必要があります。
買い戻し(返済注文)には二通りあります。
- 反対売買・・・空売りしている株を買って返済する方法。証券会社を通して返済のための買い注文を出します。
- 現渡(げんわたし)・・・空売りしている株と同じ株を現物で持っている場合、現物の株で返済する方法。
投資家は、株式購入の際に掛かった株式委託手数料を証券会社に支払います - 空売りで、証券会社から借用・売却した株式を返却(買い戻し)して利益確定となります。
この場合、損失を被る事になります。
株式の空売りのメリット
株式の空売りのメリットを
- 株価下落時も利益が得られる
- ツナギ売りが可能
それぞれに分けて説明します。
株価下落時も利益が得られる
空売りの一番のメリットは、相場が下げている時でも利益を得ることができる点です。
株式市場相場では、上昇局面もあれば下降局面もあります。
しかし、売り取引も買い取引も出来れば、相場がどのような局面になろうとも利益を得られるようになります。
ツナギ売りが可能
ツナギ売りとは、
- 現物取引の買い取引
- 信用取引の空売り
これら取引を同時にする事で、株価の変動に関わらず、互いの取引の損益が相殺される為、損益が0になるという手法です。
この手法は、株価変動で損失を被る事無く、長期保有株主優待を受ける等々に有効な手法になります。
SBI証券を利用したの実際のツナギ売りのやり方です。
株式の空売りのデメリット
株式の空売りのデメリットを
- 損失の上限が無い
- 高コスト
それぞれに分けて説明します。
損失の上限が無い
現物取引で株式を購入した際、たとえその会社が倒産して価値が0になったとしても、購入金額以上の損失はありません。
しかし、空売りの場合、株価上昇に制限はありません。株価が購入した時の金額の何十倍になろうととも、証券会社から借用した株式は返却(買い戻し)しなくてはなりません。
高コスト
空売りでは、証券会社から借用した株式を売却し、買い戻すまでの期間が長いほど、掛かるコストも大きくなります。
空売りが可能な信用取引には
- 制度信用取引
- 一般信用取引
の二種類あります。
下記は、楽天証券の信用取引に掛かるコスト一覧です。
- 制度信用取引
- 一般信用取引
それぞれの売建の列が、空売りに掛かるコストになります。
制度信用取引 | 一般信用取引 | |||
---|---|---|---|---|
信用新規建区分 | 買建 | 売建 | 買建 | 売建 |
返済期限 | 6ヶ月 | 無期限 | ||
買方金利 (年率) | 通常:2.80% 優遇:2.28% | - | 通常:2.80% 優遇:2.10% | - |
貸株料 (年率) | - | 1.10% | - | 1.10% |
逆日歩 (品貸料) | - | 会社銘柄による | - | - |
これに加えて、株式の売買の際の売買手数料も掛かります。
また、空売り中に配当落ち日を迎えると、配当金相当額を支払うことになります。
制度信用取引・一般信用取引に関する記事はこちら
FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)・仮想通貨FX取引の空売り
- FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)
- 仮想通貨FX取引
これらの空売りの仕組みは株式のそれと比較すると、少し理解しづらいかも知れません。
市場 | 現物の保有 | 反対売買期限 | 取引時間 | |
---|---|---|---|---|
株式の信用取引 | 株式市場 (現物市場) | あり (現物取引) | 制度信用取引・・・6ヶ月 一般信用取引・・・無期限 | 平日 9:00~11:30 12:30~15:00 |
FX証拠金取引 | 外国為替市場 | なし (差金決済) | 無期限 | 平日のみ |
仮想通貨FX取引 | 仮想通貨市場 | なし (差金決済) | 無期限 | 24時間365日 |
商品先物取引 | 商品先物市場 (先物市場) | あり (受渡・差金決済) | 限月あり | 平日 8:45~15:15 |
債券先物取引 | 債券先物市場 (先物市場) | あり (受渡・差金決済) | 限月あり | 平日 8:45~11:00 12:30~15:00 |
株式の空売りは
- 証券会社から現物の株式を借用
- 借用した現物の株式を株式市場で売却
- 借用した同銘柄の株式を株式市場から買い戻す
- 証券会社へ現物の株式を返却
上記の様に現物の株式を伴った取引なので、株式の空売りの仕組みを理解するのは難しくはないでしょう。
一方、FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)・仮想通貨FXの空売りは、現物を保有せず通貨・商品を先に高値で売り、後で安値で買い戻すことで利益を得る取引です。
投資対象である現物を保有せず、後で通貨・商品を買い戻すという取引を文言通りに理解しようとすると理解に苦しみます。
この取引が成立するのは
- FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)
- 仮想通貨FX取引
が差金決済という仕組みを利用しているからです。
差金決済とは、取引の開始時点では実際の通貨を動かさず、決済時の結果だけを反映させることです。
差金決済では、取引の結果で生じた差額の利益や損失分だけ、投資家の口座残高に増減されます。
差金決済に関する記事はこちら
実際にFX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)の空売りの仕組みについて見ていきましょう。
- FFX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)の空売りを開始するためには、FX業者のFX口座を開設し証拠金を入金します。
証拠金の金額は、各取引通貨によって違います。
- 外国為替市場で取引通貨の価値が下落すると予想、取引通貨を空売りします。
この時、株式の空売りの様に、現物の取引通貨はFX業者より貸与されません。
FX業者は現物の取引通貨を貸与する代わりに、架空上の取引通貨を貸与すると共に
- 架空上の取引通貨を買い戻す義務
- 取引通貨の空売り時と決済時の差額を受取る又は支払う権利
の内容の契約を結びます。
有形物の投資対象物を無形物として扱うのはイメージしづらいかも知れませんが、取引通貨を貸与する権利がFX業者から投資家に付与されたと考えるとイメージしやすいかもしれません。 - 決済時、FX業者との契約内容それぞれを履行します。
- 取引通貨を買い戻す義務 → 架空上融資された取引通貨を返済
- 取引通貨の空売り時と決済時の差額を受取る又は支払う権利 → 差額をFX口座に入手金
- 架空上の空売りをした通貨を買い戻す義務
- 取引通貨の空売り時と決済時の差額を受取る又は支払う権利
の契約を履行しなければなりません。
この場合、損失を被る事になります。
FX・仮想通貨FXの空売りのメリット
FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)・仮想通貨FXの空売りのメリットを
- 価値下落時も利益が得られる
- 低コスト
- 取引可能時間が長い
それぞれに分けて説明します。
価値下落時も利益が得られる
- 外国為替市場の通貨の価値
- 仮想通貨市場の値段
それぞれの市場も株式市場の株価の様に上昇相場・下降相場と常に変動します。
外国為替市場・仮想通貨市場のトレンドが上昇しようと下降しようとも、空売りを上手く利用することで、上昇相場・下降相場どちらでも利益が得ることが出来ます。
低コスト
FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)・仮想通貨FXの空売りは、株式の空売りと比較すると
- 貸株料
- 逆日歩(品貸料)等々
これらのコストを意識することなく、株式の現物取引と同じ感覚で空売りが出来ます。
また、株式の制度信用取引の場合、反対売買期限が6ヶ月ですが、FX(Foreign eXchange:外国為替)・仮想通貨FX取引は反対売買期限がありません。
取引可能時間が長い
株式市場や先物市場は、平日の朝から夕方まで取引可能ですが、
- FX(Foreign eXchange:外国為替)証拠金取引・・・土日以外
- 仮想通貨FX取引・・・365日24時間
特に、仮想通貨FX取引はメンテナンス以外では、年中稼働しています。
FX・仮想通貨FXの空売りのデメリット
FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)・仮想通貨FXの空売りでは、
- FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)・・・スワップポイント、スプレッド
- 仮想通貨FX・・・スプレッド
これらのコストを支払う必要があります。
スワップポイント
FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)において、スワップポイントは2国間の金利調整分によって算出されます。
この場合の金利とは各国の中央銀行の政策金利を指し、取引通貨の二国間の金利調整分によって、金利を受取る・支払います。
- 金利が高い通貨を売り、金利が低い通貨を買う・・・金利差が損失になる
- 金利が低い通貨を売り、金利の高い通貨を買う・・・金利差が利益になる
政策金利とは、中央銀行が市中銀行に融資する際の金利。
出典:Wikipedia
FX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)の空売りでは、スワップポイントにより日々、金利差を支払う必要があります。
下記は、FX業者毎の
- 買建
- 売建(空売り)
それぞれのスワップポイントです。
米ドル・円 | ユーロ・円 | ポンド・円 | 豪ドル・円 | ||
---|---|---|---|---|---|
買建 | 8 | -11 | 3 | 4 | |
売建 | -11 | 8 | -6 | -7 | |
買建 | 8 | -11 | 3 | 4 | |
売建 | -11 | 8 | -6 | -7 | |
1Lot あたりの通貨数量 10,000 | 買建 | 5 | -30 | 0 | 0 |
売建 | -40 | 0 | -30 | -35 | |
買建 | 8 | -11 | 3 | 4 | |
売建 | -11 | 8 | -6 | -7 | |
買建 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
売建 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
買建 | 8 | -11 | 6 | 5 | |
売建 | -11 | 8 | -9 | -8 | |
買建 | 8 | -11 | 6 | 5 | |
売建 | -11 | 8 | -9 | -8 | |
買建 | 7 | -15 | 2 | 3 | |
売建 | -10 | 12 | -5 | -6 | |
買建 | 2 | -18 | 0 | 20 | |
売建 | -17 | 3 | -16 | 1 | |
買建 | 1 | -24 | 0 | 0 | |
売建 | -41 | -6 | -30 | -30 | |
買建 | 10 | -8 | 2 | 1 | |
売建 | -80 | 22 | -22 | -51 | |
1Lot あたりの通貨数量 1,000 | 買建 | 0.2 | -6 | 0.1 | 0.4 |
売建 | -8.3 | 0 | -9 | -5.9 | |
買建 | 5 | -30 | 0 | 0 | |
売建 | -40 | 0 | -30 | -35 | |
1Lot あたりの通貨数量 10,000 | 買建 | 1 | -30 | 3 | 1 |
売建 | -39 | 2 | -31 | -34 | |
買建 | 8 | -7 | 3 | 5 | |
売建 | -10 | 7 | -3 | -5 | |
買建 | 9 | -15 | 2 | 5 | |
売建 | -15 | 12 | -5 | -11 |
スプレッド
スプレッドとは、売値と買値の差額で、FX業者の売買手数料にあたるものです。
上記のイラストにおいて、スプレッドが0.3とあります。
この0.3銭は「3円の1,000分の1」に当たります。
FX業者はFX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)の最低取引単位が
- 1,000通貨
- 10,000通貨
これらの単位で設定されており、実質的な取引手数料は
- 1,000通貨・・・3円
- 10,000通貨・・・30円
になります。
下記は、FX業者毎のスプレッドです。
米ドル・円 | ユーロ・円 | ポンド・円 | 豪ドル・円 | |
---|---|---|---|---|
0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.7銭 | |
( )は1,000通貨までの取引 | 0.17 ~ 0.20銭 (0.09銭) | 0.49銭 (0.30銭) | 0.99銭 (0.69銭) | 0.69銭 (0.40銭) |
0.9銭 | 1.9銭 | 3.4銭 | 3.2銭 | |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 1.0銭 | |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.7銭 | |
0.1銭 | 0.3銭 | 0.6銭 | 0.4銭 | |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.7銭 | |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.7銭 | |
0.3銭 | 0.6銭 | 1.1銭 | 0.9銭 | |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.3銭 | 0.6銭 | |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 | |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.7銭 | |
1.0銭 | 2.0銭 | 4.0銭 | 3.0銭 | |
0.3銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.6銭 | |
0.2銭 | 0.3銭 | 0.5銭 | 0.3銭 | |
0.1銭 | 0.3銭 | 0.6銭 | 0.4銭 |
商品先物・債券先物の空売り
株式の現物取引・信用取引は、現物市場で取引されるのに対して
- 商品先物取引
- 債券先物取引
これらは、先物市場で取引されます。
市場 | 現物の保有 | 反対売買期限 | 取引時間 | |
---|---|---|---|---|
株式の信用取引 | 株式市場 (現物市場) | あり (現物取引) | 制度信用取引・・・6ヶ月 一般信用取引・・・無期限 | 平日 9:00~11:30 12:30~15:00 |
FX証拠金取引 | 外国為替市場 | なし (差金決済) | 無期限 | 平日のみ |
仮想通貨FX取引 | 仮想通貨市場 | なし (差金決済) | 無期限 | 24時間365日 |
商品先物取引 | 商品先物市場 (先物市場) | あり (受渡・差金決済) | 限月あり | 平日 8:45~15:15 |
債券先物取引 | 債券先物市場 (先物市場) | あり (受渡・差金決済) | 限月あり | 平日 8:45~11:00 12:30~15:00 |
- 商品先物取引
- 債券先物取引
の空売りの仕組みは、
- FX(Foreign eXchange:外国為替)証拠金取引
- 仮想通貨FX取引
と大体同じですが、
- 反対売買期限がある点
- 受渡決済の場合、現物保有が可能
これらの点が違います。
実際に商品先物の空売りの仕組みについて見ていきましょう。
- 商品先物の空売りを開始するためには、先物取引業者の先物取引口座を開設し証拠金を入金します。
- 商品先物市場で商品先物の価値が下落すると予想、先物取引業者と、
- 予め定められた期日・・・・・・半年後
- 特定の商品(原資産)・・・金(ゴールド)
- 取引時点の約定価格・・・5,000円/グラム
で「売却出来る権利」(空売り)の契約をします。
- 期日前に反対売買する事を決済します。
決済方法は、差金決済になります。
商品先物・債券先物の空売りのメリット
先物の空売りのメリットを
- 商品・債券先物価格下落時でも利益が得られる
- 低コスト
それぞれに分けて説明します。
商品価格下落時も利益が得られる
商品先物市場の商品先物の価値も株式市場・外国為替市場のように価格・価値が上昇相場・下降相場と常に変動します。
商品先物市場のトレンドが上昇しようと下降しようとも、空売りを上手く利用することで、上昇相場・下降相場どちらでも利益が得ることが出来ます。
低コスト
株式取引の空売りでは、
- 貸株料
- 品貸料(逆日歩:ぎゃくひぶ)
FX(Foreign eXchange:外国為替)証拠金取引の空売りではスワップポイント。
それぞれの取引では、空売りによって、維持コストが掛かります。
一方で、先物取引は維持コストが掛かりません。
商品先物・債券先物の空売りのデメリット
商品先物・債券先物の空売りのデメリットは、取引の決済期限があると言うことです。
決済期限がある
先物取引は取引出来る期間が決まっています。
この取引出来る期間の満期月を限月(げんげつ)と呼びます。
期日である取引最終日は、「納会日」と呼ばれます。
先物取引では、期日までに反対売買を行う事で取引を決済する事が可能であり、反対売買を行った場合には差金決済が行われます。
期日まで反対売買をしない場合、
- 現物受渡決済
- 差金決済
どちらかの決済方法を選択して取引終了となります。
以上、空売りの仕組みとメリット・デメリットの説明になります。
コメント