信用取引の仕組みと信用取引の金利・手数料・保証金




信用取引の仕組みと信用取引の金利・手数料・保証金

株式投資をする上で、現物の株式を利用する投資手法には

  1. 現物取引
  2. 信用取引

の2種類あります。

株式の現物取引は、ご存知の方も多いかと思いますが、

  1. 証券会社の証券口座を開設・資金を入金

    株式の現物取引

  2. 証券会社を通して株式市場から株式を購入

    株式の現物取引

    単元株・・・通常の株式取引で売買される売買単位のこと
  3. 証券会社を通して株式を株式市場に売却

    株式の現物取引

この一連の流れが、株式の現物取引の大まかな流れになります。

株式の現物取引では、

  • 証券口座に預けた金額内での取引
  • 取引は買い取引のみ

となります。

「証券口座に預けた金額内での取引」とは、当たり前ですが、資金100万円を証券口座に入金した場合、100万円以内で株式の取引をするという事です。

「取引は買い取引のみ」ですので、投資家が利益を得るには、購入した株式の株価が購入時点より上昇するしかありません。

購入した株式の株価が下落した場合は損失を被る事になります。

株式の現物取引

これら株式の現物取引の特徴を補完する取引が信用取引になります。

信用取引を利用する事で株式投資の幅をが一気に広がります。

この記事では、

  • 信用取引仕組み
  • 信用取引の金利・手数料・保証金を含めたメリット・デメリット

それぞれに分けて説明しています。

信用取引の仕組み

信用取引の仕組み

信用取引とは

  • 現金
  • 金融商品

を委託保証金として証券会社に預け、それらを担保に

  • 資金
  • 株式

を借り入れて株式売買を行う投資手法です。

信用取引

信用取引は現物取引と同じ市場、同じ価格で取引されており、現物市場に信用取引という投資手法が加わっただけになります。

現物市場

信用取引を利用する為には証券会社で一般・特定口座と別に信用口座を開設する必要があります。

信用取引は現物取引の株式とは違い、投資家に

  • 資金
  • 株式

を貸し付ける為、投資家に信用力が備わっているかの審査が必要だからです。

信用取引には、

  • 一般信用取引
  • 制度信用取引

の二種類があります。

制度信用取引は、取引所が公表している制度信用銘柄の選定基準を満たした銘柄だけを対象とする信用取引の事です。

一方、一般信用取引は、投資家と証券会社の間で契約を結び、原則全上場銘柄を対象とした信用取引の事です。

制度信用取引が可能な銘柄、返済期限などが取引所規則で定められている為、選定基準は厳しい分、一般信用取引と比較して金利は低めに設定されています。

 制度信用取引一般信用取引
信用新規建区分買建売建買建売建
返済期限6ヶ月無期限
買方金利
(年率)
通常:2.80%
優遇:2.28%
-通常:2.80%
優遇:2.10%
-
貸株料
(年率)
-1.10%-1.10%
逆日歩
(品貸料)
-会社銘柄による--

それでは、信用取引の売買の仕組みを見ていきましょう。

信用取引での株式売買において

  • 買建(ロング)・・・信用買い
  • 売建(ショート)・・・信用売り(空売り)

と呼ばれています。

  • 信用取引
  • 証拠金取引 等々

の担保をもとにする取引では、

  • 新しく買いポジション(買建て玉)を持つ事 → ロング(Long)
  • 新しく売りポジション(売建て玉)を持つ事 → ショート(short)又は空売り

という専門用語を使用します。

ロング・ショート

出典:松井証券

信用取引の流れを

  • 信用買い
  • 信用売り(空売り)

それぞれに分けて説明していきます。

信用買い

株式の信用買いの取引の流れを見ていきます。

  1. 信用買いは信用取引でしか行えないので、通常の証券口座開設後、信用取引口座を開設し、株式売買の資金である委託保証金を入金します。

    株式の信用買

  2. 信用買いをする為に、証券会社より融資を受けます。
    投資家は融資額の金利を支払います

    株式の信用買

  3. 証券会社から借りた融資を利用して、株式市場で株式を買付けます。
    投資家は、株式購入の際に掛かった株式委託手数料を証券会社に支払います

    株式の信用買

  4. 信用買いの決済方法は2種類あります。
    1. 売り返済・・・買付けた株式を返済のために売却、融資額を証券会社に返済
    2. 現引き・・・買付けた株式の代金をを証券会社に返済、現物株を引き取る
    投資家は、株式売却の際に掛かった株式委託手数料を証券会社に支払います

    株式の信用買

    株式の信用買

信用売り(空売り)

株式の信用売り(空売り)の取引の流れを見ていきます。

  1. 信用売り(空売り)は信用取引でしか行えないので、通常の証券口座開設後、信用取引口座を開設し、株式売買の資金である委託保証金を入金します。

    株式の空売り

  2. 信用売り(空売り)する会社銘柄の株式を証券会社より借用します。
    投資家は、貸株料という株式借用代金を証券会社に支払います

    株式の空売り

  3. 証券会社より借用した株式を株式市場で売却、売却金額が投資家の信用取引口座に入金されます。
    投資家は証券会社より借用した株式を返却する義務を負っており、株式を返却するまで、この売買に関わった入金額を信用取引口座から出金する事は出来ません。

    投資家は、株式売却の際に掛かった株式委託手数料を証券会社に支払います

    株式の空売り

  4. 証券会社から借用・売却した株式を証券会社に返却する為に、借用・売却した同銘柄の株式を買い戻す必要があります。

    返済注文には二通りあります。

    1. 買戻し・・・信用売(空売り)している株を買って返済する方法。証券会社を通して返済のための買い注文を出します。
    2. 現渡(げんわたし)・・・信用売(空売り)している株と同じ株を現物で持っている場合、現物の株で返済する方法。
    投資家は、株式購入の際に掛かった株式委託手数料を証券会社に支払います

    株式の空売り

    株式の空売り

信用取引の金利・手数料・保証金を含めたメリット・デメリット

信用取引の金利・手数料・保証金を含めたメリット・デメリット

信用取引

  • 現金
  • 金融商品

を委託保証金として証券会社に預け、それらを担保に

  • 資金
  • 株式

を借り入れて株式売買を行う投資手法な為、ハイリスク・ハイリターンな取引になります。

信用取引を始める上で、

  • メリット
  • デメリット

それぞれを理解した上で取引を始めるようにしましょう。

信用取引のメリット

信用取引のメリットを

  • レバレッジ効果
  • 株価下落時も利益が得られる

に分けて解説します。

レバレッジ効果

レバレッジ(leverage)自体の意味は、「テコの原理」で有名な「テコの作用」という意味です。

  • 力点
  • 支点

これらを利用して作用点に力を働かせるというものです。

テコの原理

経済・金融活動でのレバレッジは、自己資本を元本として資金調達を行い、取引額を自己資金以上に引き上げる。という意味で使われています。

株式の現物取引では、投資家の証券口座に委託保証金10万円を入金した場合、投資家は10万円の現物取引しか出来ません。

つまり、レバレッジ効果は1倍になります。

レバレッジ効果

しかし、信用取引は、投資家の信用取引口座に預けた委託保証金の約3.3倍もの取引が可能です。

レバレッジ効果

レバレッジ効果

委託保証金

信用取引では、保有株式を委託保証金として差し入れる事が出来ます。

例えば、株価100万円のA株を保有している投資家がいるとします。

この投資家は

  • 株価 30,000円
  • 1単元(100株)

のB株を300万で買付けたいと考えているとします。

現物取引で、このB株を購入する為には

  • 新たに300万円の資金を用意
  • 株価100万円のA株を売却 + 新たに200万円の資金を用意

の必要があります。

委託保証金

一方、信用取引だと、保有している株価100万円のA株を委託保証金として利用出来るので、A株を手放す事なく、新たに10万円の資金を用意する事で、300万のB株を買付ける事が出来ます。

保有している株式を委託保証金として利用する場合、保有株式の株価が委託保証金として換算される訳ではなく、保有株式の株価に一定の掛目を乗じた評価額が代用証券として委託保証金に換算されます

委託保証金

株価下落時も利益が得られる

信用取引の一番のメリットは、相場が下げている時でも利益を得ることができる点です。

株式市場相場では、上昇局面もあれば下降局面もあります。

しかし、売り取引も買い取引も出来れば、相場がどのような局面になろうとも利益を得られるようになります。

信用売り

信用取引のデメリット

信用取引のデメリットを

  • コスト
  • ハイリスク・ハイリターン

に分けて解説します。

コスト

信用取引では、

  • 金利
  • 貸株料
  • 逆日歩(品貸料) 等々

信用取引特有のコストが掛かります。

 信用買いに掛かる費用信用売りに掛かる費用 
株式委託手数料証券会社に売買を委託した投資家が約定が成立した場合、証券会社に支払う費用
名義書換料信用買いの場合、証券金融会社が預かっている株券の名義変更手続きにかかる費用
金利
貸株料
逆日歩(品貸料)

下記は、楽天証券の信用取引に掛かるコスト一覧です。

 制度信用取引一般信用取引
信用新規建区分買建売建買建売建
返済期限6ヶ月無期限
買方金利
(年率)
通常:2.80%
優遇:2.28%
-通常:2.80%
優遇:2.10%
-
貸株料
(年率)
-1.10%-1.10%
逆日歩
(品貸料)
-会社銘柄による--
逆日歩((品貸料)

逆日歩(ぎゃくひぶ)は、品貸料(しながしりょう)とも呼ばれ、信用取引の信用売りで負担するコストになります。

(逆日歩・ぎゃくひぶ)

証券会社が信用取引に必要な株式を借りる貸借取引において、株式を貸してくれる証券金融会社に貸すための株不足が生じた際に、証券金融会社がその不足する株式を外部から調達するコストです。

(逆日歩・ぎゃくひぶ)

品貸料は、株不足が解消されない限り毎日掛かります。そのため、信用取引の信用売りでは、早く株価が値下がりして利益が出ないとコスト負担ばかりが重くなっていきます。

ハイリスク・ハイリターン

信用取引では、委託保証金を担保として資金や株式を借りるため、定められた「最低保証金維持率」を保つ必要があります。

  • 信用買いした銘柄の値下がり
  • 取引している銘柄の含み損 等々

が生じ、「最低保証金維持率」が保てなくなる場合があります。

「最低保証金維持率」を保つために「追証」という加保証金が必要になることがあります。

保証金維持率・追証に関する記事はこちら

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下記は、各証券会社の「追証」ルール一覧です。

 追証ルール
楽天証券委託保証金率が20%もしくは最低保証金額30万円を下回った場合
SBI証券委託保証金率が20%を下回った場合
GMOクリック証券
DMM.com証券

以上、

  • 信用取引仕組み
  • 信用取引の金利・手数料・保証金を含めたメリット・デメリット

についての説明になります。

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