大使館とは?領事館とは?【大使館と領事館の違いを解説】




大使館とは?領事館とは?【大使館と領事館の違いを解説】

各国に大使館・公使館と領事館が存在しますが、それぞれの

  • 目的
  • 職務
  • 特権(権利)

についてご存知でしょうか。

僕自身、東南・南アジアでサッカー選手として就労経験があり、各国で就労が決まる度に、日本の各国大使館にビザ関係で出向いた経験が多くあります。

また、サッカー選手という特別な職業な事もあり、各国において大使館・領事館の職員に招待される為、交流もあり、実務的な仕事の話しも聞ける事がある為、この分野には詳しいです。

インドにおいては、裁判出廷する事もあり、大使館の職員に大変、迷惑を掛けた経験もあります。

インドでの裁判出廷に関する記事はこちら

インドの裁判所に出廷
インドの裁判所に出廷 20代半ば位から生活の拠点が海外の発展途上国に変わり、それぞれの国の文化・人々の影響を多大に受けたせいか、性格が物凄く良い意味でも悪い意味でも楽観的になりました。 多少のピンチなら、「まぁ、なんとかなるっしょ」...

この記事では、大使館・公使館と領事館の

  • 目的
  • 職務
  • 特権(権利)

それぞれの説明後、大使館・公使館と領事館の決定的な違いについて説明します。

大使館(Embassy)

大使館

まず、そもそも何故、大使館というものが存在するのかという事ですが、
例えば、日本とインドの国交が成立し、友好的な関係にあるとします。

日本・インド、両国とも良い関係を築き、

  • 自国民の往来
  • 自国企業の海外進出
  • 資金援助、等々

両国の経済的利益を図るためには、各々自国の機関を設置した方が便利だと思いませんか。

そのような、政府の外国における活動の全般的な調整と監督に責任を持つのが、「大使館」なのです。

では勝手に、相手国に大使館を設置していいのかと言うと、そうではなく外交関係に関するウィーン条約に従う必要があります。

外交関係に関するウィーン条約(英語: Vienna Convention on Diplomatic Relations)・・・
外交関係に関する基本的な多国間条約であり、

  • 外交関係の開設
  • 外交使節団の特権(外交特権)等

について規定する条約です。

外交関係に関するウィーン条約に従い、派遣国接受国(せつじゅこく)からアグレマンを得ることで、外交関係の開設が可能になります。

派遣国・・・
外交使節を派遣する側の国家

接受国(せつじゅこく)・・・
外国の外交使節領事などを受け入れる側の国家

アグレマン(フランス語: Agrément)・・・外交用語の一つ。フランス語で「同意」「承認」「承諾」。
外交関係に関するウィーン条約における規定で、接受国が派遣されてきた人物を外交使節の長として承認すること。

大使館の設立目的

接受国との外交が主な目的で

  • 自国・自国民の利益の保護
  • 外国との文化交流の促進等

も図っています。

大使館の職務

■領事業務

  • ビザ発行や調整
  • 派遣国の人が滞在中に被害にあった際のヘルプ支援
  • 在外選挙の受付
  • 戸籍や証明書類の発行
  • パスポートの発行

■経済・ビジネス業務
派遣国企業のビジネス支援

■農業・科学分野業務

  • 輸出入の検疫
  • 自国製品の輸入促進
  • 自国の健康や環境保護などのサポート

■政治・労働・国防業務

  • 接受国の政治動向を常に調査・分析
  • 軍がある国は、武器装備システム面での防衛協力
  • 有償対外軍事援助に対しの責任

■広報・文化交流業務
接受国に住んでいる自国の人たちへの安全情報の広報や自国の文化を紹介

■法務業務
法務官は、刑事事件に関して司法を代表します。

大使館の特権(権利)

外交関係に関するウィーン条約に基づいて、特権を認められているが、特権を受けるためには、

  • 外交旅券の所持
  • 接受国による認証(アグレマン。接受)

両方が必要となります。

外交使節団に関する特権

  • 不可侵権・・・外交使節団の公館、外交使節団の長の公邸及びその輸送手段、またその他の外交官の私邸並びに、その輸送手段(自動車や列車や政府専用機など)にも及ぶ。特に、大使館や公館は絶対不可侵とされ、接受国の官憲は使節団の長の同意がない限り、公館に立ち入ることができません。
  • 公館に対する非課税
  • 通信の不可侵・・・外交伝書使(クーリエ)が携行する「外交封印袋」は、外交関係条約第40条により不可侵とされるため、空港における保安検査・税関検査でも開く必要がない。
    無線局の送信機の設置や使用には、接受国の同意が必要となります。
  • 使節団の公館、使節団長の公邸並びに、その輸送手段の国旗掲揚権

等々が存在します。

外交使節団に関する免除

  • 外交官の身体の不可侵(抑留・拘禁の禁止)
  • 刑事裁判権の免除、民事裁判権・行政裁判権の免除(一部訴訟を除く)
  • 住居の不可侵権
  • 接受国における関税を含む公租・公課及び社会保障負担の免除
  • 被刑事裁判権、証人となる義務等の免除
  • 接受国による保護義務

外交使節団に関するランク

使節団長のランク 備考
特命全権大使(大使) 接受国の元首に対して派遣
臨時代理大使 実務上の存在
代理大使 実務上の存在
特命全権公使(公使) 接受国の外務大臣に対して派遣

大使館(Embassy)と公使館(legation)の違い

公使館は大使館と同様、外交使節が外交に使う施設の事です。

外交使節団の長が

  • 特命全権大使の場合・・・その使節団が公務を行う場所を大使館
  • 特命全権公使の場合・・・その使節団が公務を行う場所を公使館

外交使節団の長が誰かによって施設の名前が違います。

領事館(consulate)

領事館

領事館は主として地勢的な便益のために設置されるもので、その設置は派遣国の任意です。

国交がある国に対して、

  • 大使館は1ヶ所の設置
  • 領事館は複数ヶ所の設置

が可能です。

領事館の設立目的

大使館が通常接受国の首都におかれるのに対し、

  • 在外邦人の保護
  • 情報収集
  • 国際交流・広報など

の拠点として、また戦争・災害などといった不測の事態にはリスクを分散しつつ大使館の機能をスムーズに移転できるよう、主な総領事館は首都とは別の主要都市に設置されます。

領事機関の種類

  • 総領事が長である領事館・・・総領事館
  • 領事が長である領事館・・・領事館
  • 副領事が長である領事館・・・副領事館
  • 代理領事が長である領事館・・・代理領事事務所

領事館の職務

領事サービス上は大使館とほぼ同様のもので、領事が接受国において職務を行うが、派遣国を政治的に代表して接受国政府と交渉する権限はありません。

  • 自国民の保護
  • 査証(ビザ)の発行
  • 証明書の発行
  • 他国の情報収集
  • 友好親善
  • 国際会議の準備等

を行いますが、これは外交のためでなくあくまでも自国(派遣国)民のための職務です。

領事館の特権(権利)

大使館同様、領事官および領事館に対しては、領事関係に関するウィーン条約に基づき一定の範囲で特権免除を享受する(領事特権)が与えられています。

領事特権は大使館や外交官の享有する外交特権よりも相当程度制限されています。

領事関係に関するウィーン条約(英語: Vienna Convention on Consular Relations)・・・1963年、オーストリアの首都ウィーンで合意された国際条約で、多国間における領事機関の設置等について詳細に規定したものです。

領事機関の構成員に係る便益、特権及び免除

  • 領事機関の公館の不可侵
  • 領事機関の公館に対する課税の免除
  • 領事機関の公文書及び書類の不可侵
  • 身体の不可侵権
  • 住居の不可侵権
  • 刑事裁判権からの免除(業務行為は保障される)
  • 警察権からの免除
  • 租税の免除など

大使・外交官においては絶対的に不可侵とされる特権について、領事の場合には一部に例外が認められています。

領事に関するランク

領事のランク 事務所
総領事 総領事館
領事 領事館
副領事 副領事館
代理領事 代理領事事務所

大使館・公使館・領事館の決定的な違い

大使館・公使館・領事館の決定的な違い

大使館・公使館は、接受国へ外交使節が外交のために使う施設であり、
領事館は外交の為ではなく、あくまでも自国(派遣国)民のための施設なのです。

コメント

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