マネタリーベース・マネーストック・信用創造とは




マネタリーベース・マネーストック・信用創造とは

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金融の役割

金融の役割

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金融は経済活動に対して

  1. 客観的な価値を持たらし、それを貨幣という尺度で表し
  2. 秩序と倫理(モラル)を保ち
  3. 信用創造により成長を促す

それぞれについて説明すると、

  1. モノの生産・サービスの供給において貨幣の単位で尺度が表されている
    例)りんご1個・・・100
      コンビニのバイト時給・・・900
      エアコンのクリーニング・・・20,000円 等々
  2. モノ・サービスの交換の際に、貨幣が存在しないと不平等な取引が行われる
  3. 市中に出回る貨幣の量を増やすことで、モノ・サービスの取引活動を活発化させる

信用創造

信用創造

この信用創造とは、端的に述べると銀行等の金融機関が預金者からの預金を、企業や個人に貸し出して、世の中に流れるお金の量を増やす事です。

信用創造の意味をもう少し深く理解する為に、少し遠回りになりますが、日銀の話を絡めながら見ていきます。

日本銀行券(貨幣)の残高

日本銀行券(貨幣)を発行できる権利を持っているのは、日銀です。

2017年(平成29年)末の時点で、日本銀行券(貨幣)の残高は、合計で104.2兆円です。

ということは、世の中に出回っている金額の合計は104.2兆円だと思いますか。

2018331日時点でのトヨタ自動車の決算書によると、トヨタ自動車が保有している現預金は3兆円です。

世の中に出回っている金額の合計は104.2兆円だと仮定するとトヨタ一社だけで
日本銀行券(貨幣)の残高の2.8%(3 ÷ 104.2 × 100)も占めている事になります。

実際はどうなのでしょうか。

マネタリーベース

現金の通貨と民間の金融機関が中央銀行に預けた金銭の合計のこと。
日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」のことです。
具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と日本銀行当座預金(日銀当座預金)の合計値です。

マネタリーベースの中身の定義は、国によって多少変わってきます。

日本の場合、現金通貨とは日本銀行券日本の硬貨の合計であり、中央銀行預け金は金融機関が保有している日銀当座預金残高マネタリーベースに当たります。

つまり、日本銀行の定義するマネタリーベース
日本銀行券発行高 + 貨幣流通高 + 日本銀行当座預金残高

ところで、このマネタリーベースが何なの?という事なのですが、このマネタリーベースの貨幣量を見ることで、日銀が直接的にコントロール出来る貨幣量がわかります。

下記は、2000年以降のマネタリーベースの推移です。

マネーストック

金融機関と中央政府を除いた、国内の経済主体が保有する通貨の合計。
金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」のことです。
具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(金融機関・中央政府を除いた経済主体)が保有する通貨(現金通貨や預金通貨など)の残高を集計しています。

日本銀行が公表するマネーストック指標は、対象となる金融商品の範囲や預入先となる金融機関等の違いによって

  • 「M1」
  • 「M2」
  • 「M3」
  • 「広義流動性」

4つの指標からなります。このうち、代表的な指標はM3とされています。

  1. M1 = 現金通貨預金通貨(預金通貨の発行者は、全預金取扱機関)
    現金通貨 = 銀行券発行高 + 貨幣流通高
    預金通貨=要求払預金(当座、普通、貯蓄、通知、別段、納税準備)− 調査対象金融機関の保有小切手・手形
  2. M2 = 現金通貨預金通貨準通貨CD
    準通貨 = 定期預金+据置貯金+定期積金+外貨預金
    CD = 譲渡性預金
  3. M3 = 現金通貨預金通貨準通貨CD
  4. 広義流動性 = M3 + 金銭の信託 + 投資信託 + 金融債 + 銀行発行普通社債 + 金融機関発行CP + 国債 + 外債。

経済が活発であると、

  • 個人消費の活性化
  • 企業の売上も伸び、規模拡大の為の設備投資
  • 企業の受注増加による、仕入れ費の増大

等の為に民間の銀行から貨幣を借りて資金を準備します。

この時、企業の側からすると、自社の成長の為に、多少借入金の金利が高かろうが、売上規模拡大の為に銀行から借入をします。

銀行からしても、借入内容がポジティブな案件であり、金利を高く設定して、銀行の儲けが増えるのでバンバン貸出します。

銀行の貸出しが増える = 市中に出回る貨幣の量が増える = マネーストックが増える
という事になります。

勿論、

  • 社員の給料支払い
  • 他行の借入金の返済
  • 仕入先への買掛金の支払い

等々の為の借入もありますが、このようなネガティブな理由では、銀行からの資金調達は至難の業です。

貸し倒れを起こさないために貸し渋りが発生します。

貸し倒れ・・・売掛金や貸付金などの債権が、倒産などの理由で回収できず損失となること。

貸し渋り・・・特に問題のない借り手に対して、銀行等の金融機関が融資条件(金利・返済期間・担保等)を厳しくするなどして、融資(貸し出し)に消極的になること

下記は、2000年以降のマネーストックの推移です。

マネタリーベース・マネーストック・信用創造の関係

マネタリーベース・マネーストック・信用創造の関係

信用創造

準備預金制度のもとで、銀行のみが有する「貨幣を生み出す」機能を指し、創造される信用貨幣の量は準備預金制度に依存します。
銀行が貨幣経済において果たしている重要な機能のひとつです。

出典:Wikipedia

準備預金制度

市中銀行の預金の一定割合の額を中央銀行に預け入れさせる制度

各民間の銀行・信用金庫・信用組合は、日銀に日銀当座預金という口座を持っているという話をしました。

銀行の種類と全銀システム・日銀ネット
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この日銀当座預金に、各金融機関が保有している顧客による預金引出しに備えるための支払準備金を法的に制度化しており、預金の一定割合(準備預金率)を中央銀行に強制的に預入させているのです。

預け入れを義務づけられた最低金額を「法定準備預金額」と言います。

金融機関は、

  • 準備預金率が引き上がると・・・
    企業に融資していた資金などを回収して、中央銀行に資金を振り込むという行動をとるので、貸し出しの減少などが起こり、マネーストックは減少し、金融が引き締められ金利が上昇します。
  • 準備預金率が引き下がると・・・
    法定準備預金額より余っている金額は、中央銀行より資金を引き出し、金利で利益を稼ぐために企業に融資等の貸し出しが増加し、マネーストックが増加し、金融は緩和され金利の低下が起こる

これを支払準備率操作と言います。

信用乗数

いくら、日銀がマネタリーベースを増やしても、経済が好転するためには、市中に出回る貨幣の量が多くならないと、経済の成長には繋がりません。

2008年のリーマンショックが起きて、日銀は日本の経済を好転させるため、色々な施策を打ち出します。

しかし、2012年以降、マネタリーベースは急激な増加が起きているのにも関わらず、肝心なマネーストックは伸びていません。

信用乗数とはマネーストックマネタリーベースの何倍かを示す比率です。

信用乗数マネーストック ÷ マネタリーベース


2008年のリーマンショック以降、日銀がマネタリーベースを大幅に増加させているものの、市中に出回る貨幣の量であるマネーストックが少ししか伸びていない為、信用乗数は低下の一途を辿っています。

2008年以降の日本の経済はどうでしょうか。マネーストック同様、成長は鈍化しています。

次回は、世界の先進国・発展途上国のインフレ率・物価の推移を見ていきます。

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