良いインフレと悪いインフレ




良いインフレと悪いインフレ

前回、インフレデフレの話をしました。

更に、日本においては、中央銀行である日銀は、インフレターゲットとして、

消費者物価指数を代表指標として前年比2%の上昇

を目指しているという話しも併せてしました。

インフレ?デフレ?
インフレ?デフレ? 前回、貰える給料が一定期間変わらないにも関わらず、物価の上下の変動によって、物品・サービスの購入個数が減ったり増えたりする事を、実質賃金が上がったり下がったりすると述べました。 普通に考えると、消費者の僕...

では、インフレになれば必ず経済成長を促すようになるのでしょうか。

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物価の決まり方

物価の決まり方

そもそも、モノの値段はどうやって決まるのでしょうか。

良いインフレ

例えば、話を単純化させるために、大根と人参しか置いてない八百屋があるとします。
八百屋の売る相手は、消費者なので原価の基準は卸売価格になります。

生産者が種苗費(取得原価)40円に付加価値10円を乗せて

  • 大根・・・150
  • 人参・・・120

で卸売市場に売ったとします。

※この付加価値というのは、原価である種苗費
必要経費(人件費も含む) + 利益 を加える手間暇の事です。

※農家が野菜を生産する為には、種苗会社から、種や苗を購入して、それを育てて野菜を作ります。

更に、卸売業者が付加価値を乗せて

  • 大根・・・190
  • 人参・・・160

で小売市場に売ったとします。

小売業者にとって、これらの

  • 大根・・・190
  • 人参・・・160

取得原価なわけです。

小売業者は、大根・人参を売る際に、この取得原価に、人件費や売り場の家賃等々の必要経費を大根・人参に按分します。
すると、大根・人参の1つ当たりの総原価が出ます。
その値段を基準に、この小売業である八百屋の店長は戦略を練っていくわけです。

例えば、

    総原価が

  • 大根・・・195
  • 人参・・・165

になったとします。

八百屋の店長は、総原価に利益を1単位あたり5円ずつ乗せた金額を販売価格とします。

  • 大根・・・1100
  • 人参・・・170
いざ、八百屋を開店してみると、

  • 1日目・・・
    大根・・・いつもの2倍以上の売れ行き
    人参・・・いつも通りの売れ行き
  • 2日目・・・
    大根・・・いつもの3倍以上の売れ行き
    人参・・・いつも通りの売れ行き

あなたが八百屋の店長なら、3日目はどのような戦略を練りますか?

特に、どうするのが正解というのはないのですが、大根の売れ行きが良いなら、大根の値段を少し上げてみてもいいと思いませんか?

要は、大根の需要が多いため値段を上げるのです。

これは、人々の需要(消費)意欲があるという事で、良い値段の上がり方(良いインフレ)です。

デマンドプル(demand-pull)型インフレとも呼ばれています。

悪いインフレ

では、悪いインフレはどのように起こるのでしょうか?

上記の良いインフレの大根の生産者から消費者までのプロセスをたどっていくと

  • 生産者 ・・・取得原価 40付加価値 10販売価格 50
  • 卸売業者・・・取得原価 50付加価値 40販売価格 90
  • 小売業者・・・取得原価 90付加価値 10販売価格 100
  • 消費者・・・購入価格 100
それに対して、悪いインフレのプロセスはどうなのでしょうか。

例えば、生産者が購入している種苗、これが外国の種苗会社で、大根1本当たりの取得価格が70円になったとしましょう。

  • 生産者 ・・・取得原価 70付加価値 5販売価格 75
  • 卸売業者・・・取得原価 75付加価値 30販売価格 105
  • 小売業者・・・取得原価 105付加価値 5販売価格 110
  • 消費者・・・購入価格 110

次に付加価値に注目してみましょう。

良いインフレ 悪いインフレ
生産者 10 5
卸売業者 40 30
小売業者 10 5
合計 60 40

生産者・卸売業者・小売業者それぞれが、取得原価が良いインフレの時と比較すると高くなっているため、付加価値をあまり乗せることが出来ず、且つ消費者の手元に届くころには、販売価格も普段より高くなっています。

そして、消費者には色々な物を購入する際に、それぞれの価値観があります。

例えば、この大根1本が100円が世間一般でいう手頃な金額だとしましょう。

80円だと安いから、まとめ買いのチャンス。110円だと少し高いけど購入する。120円だと購入を見送る。という人がいるとしましょう。

この悪いインフレのせいで、販売価格が上昇し買い控えが起きてしまい、消費が抑制されてしまう可能性があります。

つまり、販売価格が上昇したものの、

  • 生産者・卸売業者・小売業者も儲かっていない
  • 消費者も消費を抑制される

という得をしたかもしれないのは、外国の種苗会社だけで、日本国内は生産者から消費者まで誰も得をしていません。

この悪い値段の上がり方は、明らかに(悪いインフレ)です。

コストプッシュ(cost-push)型インフレとも呼ばれています。

  • 良いインフレ・・・経済が活性化し需要が供給を上回ることで物価が上昇するというインフレである。
  • 悪いインフレ・・・
  • 製品を作る際の費用が増加して、生産費用の増大を賄うために物価が上昇するインフレ

コメント

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