フラッシュメモリとは?フラッシュメモリの仕組みを説明
- デジカメ
- ビデオカメラ
- 携帯電話 等々
に使われるメモリカードや、パソコンで使うUSBメモリはフラッシュメモリを使った電子製品です。
半導体素子を利用した記憶装置の一つであるフラッシュメモリは、
- 何度も繰り返し書き込みが可能
- 電源を切っても記録されたデータが失われないこと
という特徴を持っています。
この記事では、フラッシュメモリの
- 基本構造
- 基本動作
についてそれぞれ説明していきます。
フラッシュメモリの基本構造
フラッシュメモリの基本構造は、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)のうち、金属酸化物半導体・電界効果トランジスタ(MOS・FET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)と呼ばれるトランジスタを基本にしています。
電界効果トランジスタ(以降、FETと呼ぶ)とは、スイッチのオン・オフをゲート電極に電圧をかける事でチャネル領域に生じる電界によって自由電子または正孔の濃度を制御し、
- ソース電極
- ドレイン電極
間の電流を制御するトランジスタを指します。
FETには
- ゲート
- ソース
- ドレイン
の主な三種類の端子があります。
金属酸化物半導体・電界効果トランジスタ(以降、MOS・FETと呼ぶ)はFETの一種で、通常、P型半導体であるシリコン基板上に作成されます。
P型半導体であるシリコン基板上のゲート電極にシリコンの酸化絶縁膜とその上にゲート金属を形成し、
- ドレイン電極
- ソース電極
間に高濃度の不純物をイオン注入し、N型半導体にします。
N型半導体・P型半導体に関する記事はこちら
メモリセル
フラッシュメモリのデータを記録する最小単位をメモリセルと呼びます。
ビットに関する記事はこちら
https://elite-lane.com/bit-and-byte/
メモリセルは層を形成しており、下層から上層にかけて
- P型半導体
- P型半導体の上部にN型半導体の
- ドレイン電極(Drain)
- ソース電極(Source)
- P型半導体の上にトンネル酸化膜
- 絶縁膜で挟んだフローティングゲート(Floating-gate)
- コントロールゲート(Control-gate)
で構成されています。
コントロールゲートに電圧が加わるとドレイン電極-ソース電極間に電流が流れます。
ドレイン電極-ソース電極間に電流が流れ始めるときのゲート電圧を「閾値電圧」と呼びます。
フラッシュメモリでは,
- フローティングゲート中に電荷が存在する = (ドレイン電極-ソース電極間に電流が流れない)-> 2進数の 0
- フローティングゲート中に電荷が存在しない = (ドレイン電極-ソース電極間に電流が流れる)-> 2進数の 1
と定義しています.
2進数に関する記事はこちら
記録方式の技術
フラッシュメモリは記録方式の違いによって、
- SLC型
- MLC型
- TLC型
に分かれています。
SLC (Single Level Cell) | MLC (Multiple Level Cell) | TLC (Triple Level Cell) |
|
---|---|---|---|
1セル当たりの格納データ | 1 ビット | 2 ビット以上 | 3 ビット |
書き換え回数 | 90,000 ~ 100,000 | 8,000 ~ 10,000 | 3,000 ~ 5,000 |
フラッシュメモリの基本動作
フラッシュメモリの基本動作には
- 読み出し
- 書き込み
- 消去
があります。
フラッシュメモリのメモリセルは
- DRAM
- SRAM
- HDD
の様に上書き(オーバーライト:Over Write)が出来ません。
データを書き換えるためには
- 消去
- 書き込み
の順に行なう必要があります。
フラッシュメモリの消去
フラッシュメモリの消去は
- ドレイン極
- ソース極
に電圧を印加することでフローティングゲート内の自由電子を追い出します。
フラッシュメモリの書き込み
フラッシュメモリの書き込みは、
- 2進数の0を書き込む場合・・・コントロールゲートに印加することで、トンネル酸化膜を突き破って自由電子がフローティングゲートに蓄えられる
- 2進数の1を書き込む場合・・・何もしない
フラッシュメモリの読み出し
フラッシュメモリのデータの読み出しはコントロールゲートに印加して、ソース極からドレイン極に流れる電流を読み出します。
- データ -> 0・・・フローティングゲートに電子が蓄積されていればソース極・ドレイン極間には電流が流れにくい
- データ -> 1・・・フローティングゲートに電子が蓄積されていなければソース極・ドレイン極間には大きな電流が流れる
この違いを検出して2進数のデータが
- 0
- 1
どちらなのか判定します。
以上、フラッシュメモリの
- 基本構造
- 基本動作
についての説明になります。
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