集積回路とは?集積回路の仕組み・役割と種類
集積回路という言葉は知らなくても、ICチップという単語を聞いた事がある方は多いと思います。
まさに、そのICチップが集積回路【IC(Integrated Circuit)】なのです。
ICチップは色々な電子製品に組み込まれています。
集積回路【IC】(以下、ICと呼ぶ)が発明されなければ、
- スマートフォン
 - ノートパソコン 等々
 
のような小型で持ち運びが便利な電子製品は開発されなかったかもしれません。
現代の生活に欠かす事が出来ない
- スマートフォン
 - ノートパソコン
 - テレビ
 - 冷蔵庫 等々
 
は内蔵されているICによって動作しています。
しかし、ICがどのような仕組みや役割を果たしているかご存知の方は多くありません。
そこで、この記事ではICの
- 仕組み・役割
 - 分類
 
それぞれについて説明していきたいと思います。
集積回路【IC】の仕組み・役割

そもそもICとは何なのでしょうか。
ICはIntegrated Circuitの略で邦訳では「集積回路」という意味になります。
「集積」とは読んで字のごとく「集まり積もった」という意味で、「回路」は「電流の通路」という意味になるので、「集積回路」は「何かが集まり積もった電流の通路」という事になります。
では、集積回路という電子部品には何が集まっているのでしょうか。
- スマートフォン
 - ノートパソコン 等々
 
の電子製品内部をご覧になった事はありますか。
ドライバで筐体のネジを緩めて開けてみると、緑の基盤の上に色々な形をした電子部品が確認できます。
色々な形をした電子部品の中に黒い箱のような電子部品があります。
その黒い箱のような物がICです。
黒い箱のような物自体は電子部品では無くICを守る為の絶縁体(電気を通さない物質)です。
黒い箱の中にあるICは、
- トランジスタ
 - ダイオード
 - 抵抗
 - コンデンサ 等々
 
から構成されています。
トランジスタに関する記事はこちら

ダイオードに関する記事はこちら

抵抗器に関する記事はこちら

コンデンサに関する記事はこちら

ICには用途によって色々な種類がありますが、
- スマートフォン
 - 小型ゲーム機
 - ノートパソコン 等々
 
の大量生産されている電子製品のICは超小型化されており、半導体ウェーハと呼ばれる小さなシリコンチップの上に多数の電気回路を形成しています。
通常1個、数mm角のトランジスタなどを目に見えないほど小さくして、これを
- 10 mm 角
 - 20 mm 角
 
程度のシリコンチップの上に1,000万個 ~ 数億個も作ります。
ICの製造工程に関しての記事はこちら

集積回路【IC】の分類

ICの分類方法は色々ありますが、今回は
- ICの数
 - ICの構成
 - ICの機能
 
の分類によるICの種類を説明していきます。
集積するICの数
集積するICの数によってICの呼称が変わります。
| SSI | MSI | LSI | VLSI | ULSI | |
|---|---|---|---|---|---|
| 名称(英語) | Small Scale IC | Medium Scale IC | Large Scale IC | Very Large Scale IC | Ultra Large Scale IC | 
| 名称(日本語) | 小規模集積回路 | 中規模集積回路 | 大規模集積回路 | 超大規模集積回路 | 超々大規模集積回路 | 
| ICの数 | 2 ~ 100 | 100 ~ 1,000 | 1,000 ~ 100K | 100K ~ 10M | 10M ~ | 
ICの構成
ICの構成には
- モノリシック集積回路
 - ハイブリッド集積回路
 
があります。
ICの機能別分類
ICの機能別分類には
- メモリ・・・データを記憶するIC
 - ロジックIC・・・演算等のデータ処理をするIC
 - ASIC(application specific integrated circuit)・・・特定用途向け又は特定顧客向けのIC
 - システムLSI・・・複数のICをひとつのチップにまとめたもの
 - その他のIC
 
があります。
メモリ
メモリは
- 揮発性メモリ(Volatile Memory)
 - 不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory)
 
と大別出来ます。
| メモリの種類 | メモリの特徴 | 用途 | |
|---|---|---|---|
| 揮発性メモリ (Volatile Memory)  | 電気の流れを切ると記憶した内容が消えるメモリ | DRAM (Dynamic Random Access Memory)  | ・コンピュータのメモリ ・家電(特にデジタル家電)等々  | 
| SRAM (Static Random Access Memory)  | ・携帯機器(携帯電話、ゲーム機) ・パソコン ・ワークステーション 等々  | 
||
| 不揮発性メモリ (Non-Volatile Memory)  | 電気の流れを切っても記憶した内容が消えないメモリ | フロッピーディスク | |
| CD-ROM (Compact Disk-Read Only Memory)  | |||
| DVD (Digital Versatile Disc)  | |||
| フラッシュメモリ | ・携帯電話 ・ICカード ・USBメモリ  | 
メモリに関する記事はこちら

ロジックIC
ロジックICとは演算や命令などを行うICです。
| MPU (Micro Processor Unit)  | MCU (Micro Controller Unit)  | 
|---|---|
| パソコンなどの頭脳部に使われるIC | 通称マイコンと呼ばれ、特定の用途に向けて機能を絞り込んだロジックICで、 ・家電 ・携帯電話 等々に使用  | 
ASIC(application specific integrated circuit)
ASIC(application specific integrated circuit)とは、オーダーメイドのICです。
- SCA(Service Component Architecture)・・・個々のユーザーの要望に応じて一から設計したフルオーダータイプ
 - ゲートアレイ・・・基本部分が予め用意してあるイージーオーダータイプ
 
があります。
システムLSI
システムLSIは複数のICをひとつのチップにまとめたものです。
| メリット | 従来のプリント基板の配線回路を介さずに複数の種類のICの機能をワンチップに盛り込め、 ・コンパクト化 ・低消費電力化 ・動作の高速化 が可能  | 
| デメリット | ・製造思想の異なる ・ロジックIC ・メモリIC を1つに纏める為、歩留まりの点で難しい ・回路の設計や製造プロセス技術を最適化できないと、コストが膨らむ  | 
その他のIC
| CCD (Coupled-Charge Device)  | CMOSセンサ (Complementary MOS)  | 
|---|---|
| 固体撮像素子 | CMOSを用いた固体撮像素子 | 
| 用途として ・ビデオカメラ ・コピー機 等々 があり、CCDの特長は高感度、高解像度で画質が良い  | CMOSセンサはCCDに比べて ・読み取った画像のデータが軽く ・消費電力も少ない デジタルビデオカメラではCCDよりも長時間の撮影ができるという特長  | 
以上、ICの
- 仕組み・役割
 - 分類
 
それぞれについての説明になります。
  











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