コンデンサとは?コンデンサの仕組み・回路記号と容量

コンデンサとは?コンデンサの仕組み・回路記号と容量




コンデンサとは?コンデンサの仕組み・回路記号と容量

コンデンサは

  • スマートフォン
  • コンピュータ 等々

の電子製品には必ず内蔵されており、電子回路の基本となる電子部品です。

コンデンサ(独:Kondensator)という言葉自体はドイツ語で、英語圏ではキャパシタ(capacitor)と呼ばれています。

コンデンサとキャパシタは、国によってそれぞれの指す意味の範囲が少し違います。

コンデンサは蓄電器の役割を果たします。

蓄電器と言うと、電池(バッテリー)が思い浮かぶかも知れませんが、

  • コンデンサ・・・電荷を一時的に蓄える受動素子の部品
  • バッテリー・・・複数の物質の化学反応で電荷の移動を引き起こす電子部品

それぞれ全く別の電子部品です。

受動素子とは

  • 抵抗器
  • コイル

のように、増幅や電気エネルギーの変換のような能動的機能をもたない素子を指します。

この記事では、受動素子の部品であるコンデンサの

  • 仕組み
  • 役割

に分けて、それぞれ説明します。

コンデンサの仕組み

コンデンサの仕組み

コンデンサは二つの金属板で絶縁体を挟み込んだ状態が基本構造となります。

絶縁体とは、電気を通さない物質の事を指します。

また、コンデンサは、その金属板(電極)間に直流電圧を印加する事で電荷を蓄積します。

静電容量

静電容量とは蓄えられる電荷の量を指し、静電容量 C は、

  • 絶縁体の誘電率 = ε
  • 電極の表面積 = S
  • 絶縁体の厚さ = d

で決まります。

コンデンサ(キャパシタ)の構造

コンデンサの静電容量の大きさは、

  • 向かい合った金属板(電極)の面積に比例
  • 金属板(電極)間の距離に反比例

しますので、

  • 金属板(電極)の面積を広くするほど
  • 金属板(電極)間距離を狭くするほど

静電容量は大きくなります。

また、金属板(電極)間に挿入する絶縁体の種類によって比誘電率が違うため、静電容量は大きく変わります。

誘電体比誘電率
空気1
プラスチックフィルム2 ~ 3
マイカ6 ~ 8
酸化アルミニウム8 ~ 10
セラミックス(低誘電率材)10 ~ 100
セラミックス(高誘電率材)1,000 ~ 20,000
  • 静電容量を最大化
  • 電極の大面積化をコンパクト

を実現するには、大きく2つの方法があります。

  1. 絶縁体を挟んだ2枚の金属板(電極)を巻物のようにくるくると巻く方法・・・例)アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ
  2. 金属板(電極)と絶縁体を多層積層する方法・・・例)積層セラミックチップコンデンサ

コンデンサ(キャパシタ)の構造

コンデンサの回路記号

コンデンサの回路記号

  1. 極性のない容量が固定のコンデンサ
  2. 電解コンデンサなどの極性があるコンデンサ
  3. バリコン(バリアブル・コンデンサ): 静電容量を変化させるのを目的につくられたコンデンサ
  4. トリマ(トリマー・コンデンサ): 静電容量を自由に調整できるコンデンサ

コンデンサの役割

コンデンサの役割

コンデンサの基本的な役割は、大きく分けて

  • 充電と放電
  • 直流は通さない
  • フィルタ機能

の3つがあります。

充電と放電

絶縁体は電気を通すことは出来ませんが、向かい合った二枚の金属板(電極)は導体ですので電気を通します。

  1. 金属板(電極)に電圧を加えると、金属板(電極)に電荷が流れ込む
  2. 金属板(電極)のプラスとマイナスの電荷は互いに引き合うが、絶縁体により金属板(電極)から電荷は流出しない
  3. 金属板(電極)に電荷が一杯になると、電荷が金属板(電極)に流れ込めなくなる
  4. 絶縁体を挟んでプラスとマイナスで電荷が引き合っているため、金属板(電極)に電荷は残り、電荷を蓄えているような状態になる

充電と放電

直流は通さない

コンデンサは絶縁体を挟み込んでいるため通電しません。

コンデンサを含んだ電気回路に一方向にしか流れない直流電流を印加しても、コンデンサは

  • 金属板(電極)に電荷が静電容量一杯に蓄えられる
  • すぐに電気は流れなくなる

という状態になってしまいます。

コンデンサ(キャパシタ)は直流は通さない

一方、交流電流は通すという性質を有します。

交流電流は、

  • 電流の向きが一定ではなく
  • 周期的に変化する電流

という性質を持っており、コンデンサに交流電流が流れると、

  • 電流の向きにならって充電と放電を繰り返し
  • 金属板(電極)に流れる電荷のプラスとマイナスも常に変化
  • 2枚の金属板(電極)の電界方向も切り替わる

絶縁体で電荷移動が起きていないのにも関わらず、まるで交流電流が流れているような働きを見せます。

この絶縁体に交流電流が流れているよううな働きを変位電流と言います。

コンデンサ(キャパシタ)は直流は通さない

フィルタ機能

電子回路におけるノイズ除去用として、次のような用途もあります。

  • アクロス・ザ・ライン・・・2つのライン間のノイズの除去
  • バイパスコンデンサ・・・直流電源からのノイズの除去
  • デカップリング・・・回路のループを小さくして、別の回路からのノイズを遮断

コンデンサ(キャパシタ)のフィルタ機能

バイパス・・・ノイズなどの交流成分をグランドに流す

デカップリング・・・交流電流を遮断して直流電流のみを通過させること

以上、コンデンサの

  • 仕組み
  • 役割

についての説明でした。

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