【図解】抵抗器とは?抵抗器の種類と抵抗の求め方・役割
抵抗器は電気を流れにくくする受動素子の電子部品です。
受動素子とは
- コンデンサ
- コイル
のような増幅や電気エネルギー変換という能動的機能をもたない素子を指します。
抵抗器は、電流を制限・調整したりすることで電子回路を適正に動作させる役割を果たしています。
この記事では、その受動素子の部品である抵抗器の
- 種類・抵抗の求め方
- 役割
に分けてそれぞれ説明します。
抵抗器の種類・抵抗の求め方
抵抗器の種類は大きく分けて
- 固定抵抗器
- 半固定抵抗器
- 可変抵抗器
の3つがあります。
特にここでは、固定抵抗器の代表である
- リード型抵抗
- チップ型抵抗
それぞれの構造を見てみます。
リード型抵抗
部材名 | 概要 |
---|---|
端子 | スズメッキ鋼線や鉄系合金(キャップ)で作られ、回路と抵抗体を接続 |
基体 | 表面に抵抗体が塗布され、抵抗体の機械的切削や焼結温度に耐えるようなセラミックの円筒物 |
抵抗体 | ・抵抗体ペーストを塗布・焼結、或いは各種抵抗体を蒸着 ・必要に応じて切削やレーザーで抵抗体表面をスパイラル状にカットし抵抗値を調整 |
外装 | 抵抗体表面に直接湿気や塵埃が接触しないようにエポキシ塗料を塗布し保護 |
チップ型抵抗
部材名 | 概要 |
---|---|
基盤 | ・抵抗体の焼結 ・トリミングに耐える用 ・セラミックの板 で構成 |
抵抗体 | ・厚膜 ・薄膜 の種類がある |
電極 | ・抵抗体を中間電極を介して外部電極へ接続 ・3層程度の構造 |
保護コート | 抵抗体表面に直接湿気や塵埃が接触しないように樹脂を塗布 |
抵抗器の回路記号
- 固定抵抗
- 全体の抵抗値が変わる可変抵抗
- タップの位置で抵抗値が変わる可変抵抗
- 全体の抵抗値が変わる半固定抵抗
- タップの位置で抵抗値が変わる半固定抵抗
抵抗の求め方
抵抗器の働きは、オームの法則「電圧(V) = 電流(I) × 抵抗(R)」
- 電圧(V)・・・Voltage
- 電流(I)・・・Intensity of electric current
- 抵抗(R)・・・Resistance
に基づいています。
オームの法則 | 概要 |
---|---|
抵抗(R)の単位はΩ:オーム | |
電圧(V)を一定とすると、 ・抵抗(R)が小さいほど電流(I)は大きくなり ・抵抗(R)が大きいほど電流(I)は小さくなる |
|
・抵抗(R)は電圧(V)と電流(I)の比例定数 ・抵抗(R)が一定であれば電圧(V)と電流(I)は比例関係 |
抵抗器の役割
抵抗器の主な役割として
- 電流制御
- 分圧
- 電流検出
- バイアスを与える
の4つがあります。
電流制御
抵抗器は電子回路の電流を定格以下に制御できます。
例えば、LED(発光ダイオード)が光るためには、その両端に2Vの電圧をかけてやる必要があります。
- 乾電池1個(約1.5V)では電圧が足りないため発光しない
- 電池2個を直列に繋ぐと、電圧オーバー(約3V)になり電流が流れすぎてLEDが破壊される
そこで、LEDと乾電池の間に適当な大きさの抵抗器を繋ぐことで、
- 適度な明るさで発光
- LEDにも乾電池にも無理をかけずにうまく動作
が可能になります。
分圧
二個以上の抵抗器を直列に接続した際、接続する抵抗値に比例した任意の電圧に分けることが可能です。
電流検出
抵抗器に電流を流すとオームの法則により抵抗器の両端には電圧降下が発生します。
この電圧値を抵抗値で割れば、その抵抗器に流れる電流値を知ることができます。
バイアスを与える
バイアスを与えるとは、回路素子に一定の電圧や電流をあらかじめ与える事を指します。
例えば、トランジスタの各端子
- エミッタ
- ベース
- コレクタ
それぞれに異なった電圧を印加する必要があります。
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以上、抵抗器の
- 種類・抵抗の求め方
- 役割
の説明になります。
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