エビングハウスの忘却曲線とは?




エビングハウスの忘却曲線とは?

人間は「忘れる」ことがコンピュータとの大きな違いです。

  • スポーツ
  • 勉強・仕事

それぞれの学習において、「忘れる」という事は、

  • 効率的な運動動作
  • 知識を長期記憶に定着させる

ことが出来ずに、その情報を失ってしまうという事です。

しかし、

  1. 海馬で保存された短期記憶は
  2. リハーサルを繰り返すことで
  3. 長期記憶として大脳皮質に保存させる

このようにして「忘れる」事を防げます。

リハーサルに関する記事はこちら

どこに記憶は保存されるのか【感覚記憶~長期記憶】
どこに記憶は保存されるのか【感覚記憶~長期記憶】 覚える 考える 等 高度な事は、神経細胞(ニューロン)を通して起こっており、神経細胞は神経細胞同士で情報(電気信号)を受け渡しする役割を果たしています。 また、神...

では、どのタイミングでリハーサルを繰り返すことが効率的なのでしょうか。

スポンサーリンク

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線

19世紀ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスが行った「記憶に関する実験」があります。

どのような実験かというと、

  • 子音・母音・子音で構成される無意味な音節を一定数記憶する([rud]、[mab]、[poq]等々)
  • 一定時間が経過するごとに、記憶した音節をどれくらい覚えているか確認する

具体的には

  1. 母音で分けられた2つの子音で構成される「無意味な音節」を約2,300枚、紙に書き、その紙を目隠し箱の中にいれます。
    (エビングハウスはドイツ人なので、母音は11個(auやeuを含む)、子音は19個(chやschを含む))
  2. その「無意味な音節」を箱から無作為に何個か(少なくて10個、多いときは36個)を取り出し、メトロノームの音に合わせて一定の間隔で読み上げ記憶します
  3. 最初から最後まで繰り返し読んで、間違えずに2回暗唱できたら覚え終わった(学習が完了した)として、次の組に移ります。
  4. これを8組(~13組)まで行います。
  5. 全部の組を覚え終わったら、かかった時間と、覚えるまでに繰り返した回数を記録します。
  6. 20分後に、もう一度記憶し直し、再び全部の組を覚え終わるまでの時間と回数を記録します。
日本語に置き換えて考えると、([さうき]、[もえな]、[ばあわ]、[にいろ]、[ほおり]等々)の無意味な音節を一定数暗記するという事です。

この実験のポイントは無意味な音節を一定数記憶するということであり、例えば、「英単語を覚える際に、既に「correct(正しい)」という単語を知ってるうえで「incorrect(正しくない)」(in-correct(単語の頭に、in-、un-、non-が付くと、否定形の意味が多い))という単語を覚える」という状況ではないということです。

さて本題に戻ります。

このエビングハウスが行った実験から得られた結果は

  • 20分後:節約率58
  • 1時間後:節約率44
  • 1日後:節約率34
  • 1週間後:節約率23
  • 1ヶ月後:節約率21

という結果です。

この結果を受けて、インターネット上の記事のグラフで

エビングハウスの忘却曲線の誤解

出典:Zooming

上記な様な、Y軸に「覚えている割合」「記憶保存率」となっているものが多く散見されますが、これはエビングハウスの忘却曲線の解釈を間違えています。

Y軸を「覚えている割合」だとすると、このグラフの解釈は初め100%覚えたものは20分後には42%忘れてしまうとなってしまいます。

英単語の例でいうと、英単語100個覚えても、20分後には42個は忘れているという事です。

エビングハウスの忘却曲線から得られる考察は上記のような事ではありません。

エビングハウスの実験には節約率という考え方を取り入れているということです。

エビングハウスの忘却曲線

出典:Zooming

節約率

ある程度時間をおいてから再び記憶するまでにかかる手間をどれだけ節約できたか?
ということを表すものであり、

(節約率)
=(節約された時間又は回数) ÷ (1回目に必要だった時間又は回数)

(節約された時間又は回数)
=(1回目に必要だった時間又は回数) - (覚え直すのに要した時間又は回数)

という式で表されます。

どういう事かというと、例えば最初に[さうき]、[もえな]、[ばあわ]、[にいろ]、[ほおり]等々の文字を全部覚えるまでに10分掛かったとします。

1時間後に全く同じ内容を覚えなおすに約7分掛かったとします。

この場合、最初の10分に対して、1時間後は7分で覚えなおせたので、上記の式に則ると

(節約された時間又は回数)
=(1回目に必要だった時間又は回数) - (覚え直すのに要した時間又は回数)
= 10(分) - 7(分)
= 3(分)

3分短縮(節約)できたことになり、節約率は

(節約率)
=(節約された時間又は回数)÷(1回目に必要だった時間又は回数)
= 3(分) ÷ 10(分)
= 30(%)

ということになります。
再掲しますが、このエビングハウスが行った実験から得られた結果は

  • 20分後:節約率58
  • 1時間後:節約率44
  • 1日後:節約率34
  • 1週間後:節約率23
  • 1ヶ月後:節約率21

となっており、無意味な音節([rud]、[mab]、[poq]等々)を50個を全部覚えるために、最初に100回、紙に書いて記憶出来たと仮定した場合に、

(節約率) = (節約された回数) ÷ (1回目に必要だった回数)
20分後:58% = X(回) ÷ 100(回) X(回) = 58(回)
1時間後:44% = X(回) ÷ 100(回) X(回) = 44(回)
1日後:34% = X(回) ÷ 100(回) X(回) = 34(回)
1週間後:23% = X(回) ÷ 100(回) X(回) = 23(回)
1ヶ月後:21% = X(回) ÷ 100(回) X(回) = 21(回)

(節約された回数) = (1回目に必要だった回数) - (覚え直すのに要した回数)
20分後:58(回) = 100(回) – X(回) X(回) = 42(回)
1時間後:44(回) = 100(回) – X(回) X(回) = 56(回)
1日後:34(回) = 100(回) – X(回) X(回) = 66(回)
1週間後:23(回) = 100(回) – X(回) X(回) = 77(回)
1ヶ月後:21(回)= 100(回) – X(回) X(回) = 79(回)

まとめ

まとめ

今回、「忘却」について簡潔に纏めました。

このエビングハウスの忘却曲線ですが、前提条件が「子音・母音・子音で構成される無意味な音節を一定数記憶する」等の、実際の学習では滅多にない状況ではありますが、日ごとに物事を忘れていくというのは、僕らの肌感覚に一致するものがあります。

このエビングハウスの忘却曲線を全て鵜呑みにするのは危険ですが、参考資料としては大いに役に立つと思います。

次回は、前3回の総括をしながら、僕なりの学習法のススメを提言したいと思います。

効率的な学習方法を取り入れよう
効率的な学習方法を取り入れよう 受験勉強 資格取得の勉強 スポーツの運動レベルの向上 これらは短期で劇的に 知識 パフォーマンス が向上するものではありません。 中・長期(2週間~)...

コメント

  1. […] 忘却曲線とは?忘却曲線とは? 人間は忘れることが出来るのがコンピュー… Various matters シナプススクワイアニューロンレセプター大脳皮質感覚記憶海馬短期記憶長期記憶 シェアする Twitter Facebook0 はてブ0 Pocket0 LINE adminをフォローする admin Green Apple Archive […]

  2. […] 忘却曲線とは?忘却曲線とは? 人間は忘れることが出来るのがコンピュー… […]