インフレ?デフレ?




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インフレ?デフレ?

前回、貰える給料が一定期間変わらないにも関わらず、物価の上下の変動によって、物品・サービスの購入個数が減ったり増えたりする事を、実質賃金が上がったり下がったりすると述べました。

物価とは
物価とは 物価の評価 物価(物の値段)が上がった(下がった)という評価は、昨年、又は先月と比べてどうかというように、ある時点と比較して考えています。 要は、相対的評価です。 物価の動きは、比較の基準となる...

普通に考えると、消費者の僕達からすると、物価が下がってくれるほうが、物品・サービスの購入個数が増えてラッキーって思いますよね。

では、日本全体の成長を考えた時にはどうなるのかを見ていきたいと思います。

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インフレ・デフレ

インフレ・デフレ

まず、覚えておきたい経済用語として

インフレーション(略称:インフレ,inflation)→ 
経済活動における財とサービスの価格の上昇を意味します。
物価上昇により貨幣の価値が財とサービスの価値よりも相対的に低下する為、インフレーションは貨幣価値の低下とも考えられます。

要は、物価が上がるとお金の価値が下がるという事です。

出典:incomlab

デフレーション(略称:デフレ,deflation)→ インフレの反意語です。
財とサービスの価格の下落を意味し、相対的に貨幣の価値が高まります。

要は、物価が下がるとお金の価値が上がるという事です。

出典:incomlab

中央銀行の役割

中央銀行の役割

出典:日本銀行

日本の中央銀行である日本銀行

『銀行の銀行』と呼ばれたりもしており、皆さんご存知の方も多いはずです。

日本銀行の根拠法等々、知りたい方はコチラの記事

日本銀行券の発行権は誰にあるのか
日本銀行券の発行権は誰にあるのか みなさんが、「お金」と聞いて頭の中でイメージする「モノ」は何でしょうか? 日本人の多くが、この「日本銀行券」をイメージするのではないでしょうか? では、この「日本銀行券」は ...

この日本銀行の設立の目的は大きく分けて2つあります。

物価の安定

日本銀行の金融政策の目的は、物価の安定を図ることにあります。
物価の安定は、経済が安定的かつ持続的成長を遂げていくうえで不可欠な基盤であり、日本銀行はこれを通じて国民経済の健全な発展に貢献するという役割を担っています(日本銀行法第1条第1項、第2条)。

金融システムの安定

決済システムの円滑かつ安定的な運行の確保を通じて、金融システムの安定(信用秩序の維持)に貢献することも、日本銀行の重要な目的です(日本銀行法第1条第2項)。
日本銀行は、金融機関に対する決済サービスの提供や「最後の貸し手」機能の適切な発揮等を通じて、この目的の達成に努めています。

この日本銀行(以下、日銀と呼ぶ)の目的の1つである物価の安定

具体的に、物価がどのような状態にある事を安定と呼ぶのでしょうか。

  1. 日本銀行は、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することを理念として、金融政策を運営している。
  2. この理念に照らして、「物価の安定」を定義すると、「家計や企業等の様々な経済主体が、財・サービス全般の物価水準の変動に煩わされることなく、消費や投資などの経済活動にかかる意思決定を行うことができる状況」である。
  3. そうした円滑な意思決定を可能とし、経済の持続的な成長と整合的な「物価の安定」は、持続可能なものでなければならない。
  4. 物価情勢を点検する際、物価指数としては、国民の実感に即した、家計が消費する財・サービスを包括的にカバーした指標が基本となり、この点、速報性を備えている消費者物価指数(総合)は重要である。

こうした認識を踏まえ、日本銀行は、2013年(平成25年)1の金融政策決定会合で、消費者物価の前年比上昇率2を「物価安定の目標」として導入しました。

長々と小難しい文章が列挙されていますが、端的に言うと、「消費者物価指数(CPI)(総合)」を参考にして、消費者物価の前年比上昇率2%を「物価安定の目標」にしていきます。という事です。

消費者物価指数(CPI)(総合)に関して知りたい方はコチラの記事

物価とは
物価とは 物価の評価 物価(物の値段)が上がった(下がった)という評価は、昨年、又は先月と比べてどうかというように、ある時点と比較して考えています。 要は、相対的評価です。 物価の動きは、比較の基準となる...

インフレターゲット

インフレターゲット

以前の記事でも述べましたが、日銀と政府は密接に関係しています。

日本銀行券の発行権は誰にあるのか
日本銀行券の発行権は誰にあるのか みなさんが、「お金」と聞いて頭の中でイメージする「モノ」は何でしょうか? 日本人の多くが、この「日本銀行券」をイメージするのではないでしょうか? では、この「日本銀行券」は ...

政府としては、日銀に対して金融政策を通して日本経済を活性化(成長)する事を願っています。

つまり、日銀は日本の経済成長に繋がるような金融政策をとらなければなりません。

物価を安定させつつ、日本の経済成長を促す為に、インフレ率前年比2%をターゲットにしているのです。

では何故、物価の安定にデフレがターゲットになるのではなく、インフレがターゲットになるのでしょうか。

デフレの方が、物価が安くなるから、皆の消費意欲が増えて、インフレより日本の経済成長に貢献できるじゃないかと思う方がいるかもしれません。

短期的には、そうかもしれません。

しかし、日本の成長を考えた時、長期的なスパンで見て未来永劫成長するように中央銀行も考えなくはなりません。

つまり、デフレだと長期的な経済成長が見込めないのです。

例えば日銀が前年比2%のデフレをターゲットにしたとします。

今、あなたが欲しい車が1000万円で販売されているとします。

日銀が前年比2%のデフレをターゲットにしている為、賢いあなたは1年待てば980万円になる可能性があることを知っています。

  • 2年後には・・・980(万円) × 0.98 = 960.4(万円)
  • 3年後には・・・960.4(万円) × 0.98 = 941.2(万円)
  • 4年後には・・・941.2(万円) × 0.98 = 922.4(万円)

これを考慮したあなたはよく考えると、『車は別に今すぐ必要というわけではないし、待てば、車の値段も下がるから、今回は見送ろう』となってしまう可能性があります。

これをデフレマインドと言い、消費者の消費意欲が低下し経済が成長しません。

では、日銀の現在の政策目標である、前年比2%のインフレをターゲットにしたとします。

あなたは1年待てば1,020万円になる可能性があることを知っています。

  • 2年後には・・・1,020(万円) × 1.02 = 1,040.4(万円)
  • 3年後には・・・1,040.4(万円) × 1.02 = 1,061.2(万円)
  • 4年後には・・・1,061.2(万円) × 1.02 = 1,082.4(万円)

これを考慮したあなたはよく考えると、『今回車の購入を見送ってしまうと来年、再来年には車の値段がどんどん上がってしまうので今のうちに購入しよう』となる可能性が高いです。

こうなると、日本国民の消費意欲が刺激され、経済が活発かしていきます。

消費税増税前の『駆け込み需要』とか、聞いた事がありませんか?

あれは、消費税が上がる前に物品・サービスを買わせようとする、小売業等々のキャンペーンなのです。

インフレ率前年比10%みたいな政策を、中央銀行が取ってしまうと、消費者の消費意欲を刺激し過ぎてしまうため、ハイパーインフレを起こしてしまう可能性もあり、2%という数字に設定されているのです。

今回、日本の経済成長の為に日銀が取っている金融政策、特に物価の安定に着目しました。

次回は、インフレの性質について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

良いインフレと悪いインフレ
良いインフレと悪いインフレ 前回、インフレやデフレの話をしました。 更に、日本においては、中央銀行である日銀は、インフレターゲットとして、 消費者物価指数を代表指標として前年比2%の上昇 を目指しているという話しも併...

コメント

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