【お金の歴史】貨幣に必要な機能を探る




【お金の歴史】貨幣に必要な機能を探る

前回、貨幣の起源と言われていた物々交換について見てきました。

【お金の歴史】貨幣の歴史に迫る
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今回は、貨幣史に残る

  • 物品貨幣
  • 金属貨幣
  • 紙幣

それぞれの貨幣について、経済学上の貨幣の機能を備えているのか確認したいと思います。

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物品貨幣

物品貨幣

物品貨幣

物品(商品)」を貨幣として間に挟むことで、モノ・サービスの交換をスムーズにします

つまり、間接的な物々交換の金融システムという事になります。

例えば、ある社会(コミュニティー)では、頻繁に大麦のやりとりがされているとします。

このコミュニティーにとって、大麦

  • 誰にとっても必要な食料であり
  • 保存が効き

大量に貯蔵しておいても困るものではありません。

「自分の商品を一旦大麦に換えておけば、いつでも欲しいモノと交換できる」と気付いたコミュニティーの中の誰かが、大麦

モノとモノの交換の仲介役 = 貨幣

にしようと提案します。

  • 1足はを大麦2kg
  • 1匹は大麦100g

あらゆる商品の価値を大麦の量に換算すれば、モノの価値を共通の尺度で測れるようになります。

経済学上の貨幣の機能をおさらいしてみましょう。

  1. 価値尺度=商品の価値を測るものさしとしての機能
  2. 流通手段(決済手段)=貨幣は決済に使われると同時に、
    売り手と買い手の間を流通し続けるという機能
  3. 価値貯蔵=富の貯蔵手段としての機能

この機能を物品貨幣に照らし合わせてみます。

物品貨幣の例として「貝貨」で見てみます。

  1. 価値尺度=貝貨の数でモノの価値を測る
    例)魚1匹は貝貨5つ分と等価。
  2. 流通手段(決済手段)=貝貨は手に入りやすく、売り手と買い手の間を流通出来る
  3. 価値貯蔵=貝貨は貯蔵可能

貨幣の機能をしっかりと備えています。

ヤップ島のフェ

物々交換の不便さを解消するために貨幣が生まれた。というのが貨幣史の定説でした。

この説とは別に「貨幣の始まりは、交換ができないほど巨大な石だった」という説もあります。

ミクロネシア

その交換ができないほど巨大な石は、ミクロネシア連邦のヤップ島にあり、フェと呼ばれています。

ヤップ島のフェ

出典:Wikipedia

このフェが貨幣の起源だと言われているのですが、大きくて1人では持ち運べない物でした。

ヤップ島のフェ

フェをどのように貨幣として利用したかというと、

  • 持ち運んだのではなく
  • フェ自体に「魚3匹」や「ヤシの実1つ」と、互いに物々交換したものを記録する

つまり、商品の貸し借りを記帳(記録)するという金融システムになっていました。

このお互いの貸借の記帳が、貨幣の起源だと言われています。

逸話の中で、フェが海の中に沈んでも、そのフェに記録されている貸借を、そのコミュニティーの人々は覚えており、

  • 「あそこの家は借りているモノより、貸しているモノが多く、悠々自適に暮らしている。」
  • 「ここの家は、借りているモノが多すぎて、周りの住人に貸しを作りすぎだ。」

という風にコミュニティーの中でフェに刻まれている記録を共有し合っていたと言われています。

コミュニティー間で行われたフェに刻まれている記録を

  • 相互に監視し合う事で
  • 貸借の信用をみんなが担保するようになり
  • 貸借で貸しが大きい人はある種の権威が出来ます

このヤップ島のフェの仕組みは、現在、僕らの生活の中にある「仮想通貨」とほとんど一緒です。

技術的な仕組みは全く違いますが、

  • 非中央集権
  • 参加者で相互監視

非中央集権・・・中央集権は権利が中央に集中していて非中央集権はその逆です。現代の貨幣である紙幣は、日銀が紙幣についての発行権を持っています。これが貨幣においての中央集権
対して、仮想通貨は何種類もありますが、ほとんどの仮想通貨が

  • 発行主体がいなく(非中央集権)
  • 発行上限があります

日銀に関してはこちらの記事

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金属貨幣

金属貨幣

金属貨幣

金属貨幣が、経済学上の貨幣の要件を備えているか見てみます。

  1. 価値尺度=秤量貨幣・計数貨幣として価値を測る
    秤量貨幣・・・
    使用に際して交換価値を品位・量目を検査して計って用いる貨幣
    計数貨幣・・・
    一定の形状・品位・量目を持ち、表面にその価値を示す数字あるいは刻印が施され、それによって数字または刻印に示された貨幣価値を保証された貨幣
  2. 流通手段(決済手段)=運搬性において小さく優れている
  3. 価値貯蔵=耐久性に優れ劣化しにくい

日本では、18712月に現在の造幣局にあたる造幣寮が開設され、5月に新貨条例の制定があり、円という単位が正式に採用されました。

当時はイギリスから広まった国際的な金本位制が普及しており、新貨条例では金本位制が採用され、アメリカ・ドルの1ドル金貨に相当する1円金貨を原貨とする本位貨幣が定められました。

新貨条例・・・
明治4510日(1871627日)に制定された日本の貨幣法。
日本の貨幣単位として「圓(円)」を正式採用しました。

紙幣

紙幣

紙幣

  1. 価値尺度=単位があり価値の測定が可能
  2. 流通手段(決済手段)=金属より軽く流通しやすい
  3. 価値貯蔵=紙幣自体には価値がない

中世には、名目貨幣である紙幣が登場していました。

紙幣は運びやすく、原料とコストの面で利点が多かったのですが、、発行が容易な為インフレーションも発生しやすく、しばしば国家の弱体化につながったと言われています。

インフレーション(inflation)・・・
経済学においてモノやサービスの価格が、ある期間において持続的に上昇する経済現象。
日本語の略称はインフレ。

対義語に

デフレーション(Deflation)・・・
物価がある期間において持続的に下落していく経済現象。
略してデフレとも呼ぶ。

インフレ・デフレについて知りたい方はコチラ

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紙幣に関しては、

  • 中央銀行が発行する銀行券
  • 政府が発行する政府紙幣

存在していました。

銀行券

ヨーロッパで最初の紙幣は、1661年にスウェーデンで発行されました。

スウェーデンの銀行券

出典:Wikipedia

スウェーデンは戦費によって

  • 財政が疲弊して金銀が不足
  • 重量がかさみ取引に不便な銅貨を用いていました。

その代わりとして、政府の承認を受けた民間銀行のストックホルム銀行が銀行券を発行。

のちにストックホルム銀行は破綻し、初の中央銀行であるスウェーデン国立銀行の設立につながります。

政府紙幣

世界初の紙幣は交子とされています。

交子

出典:Wikipedia

銅が不足して鉄貨を用いていた四川において鉄貨の預り証として発行されました。

四川での成功を知った宋政府は

  • 交子の発行を官業とし
  • 本銭(兌換準備金)や発行限度額を定め
  • 交子を手形から紙幣に定め

1023年から官営の交子を流通させました。

次回

次回
前回と今回の記事で貨幣について見ていきました。

貨幣は、経済学上の貨幣の機能の要件を満たせていれば何でも良く、その時代によって、

  • 経済がまわり
  • 利便性が高く
  • その時代の人々がその貨幣の価値を信用していれば

それが貨幣になるという事です。

次回は、貨幣が

  1. 物品貨幣
  2. 金属貨幣
  3. 紙幣

それぞれの経済の中心になった契機を見ていきます。

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コメント

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