仮想通貨は将来の貨幣になれるのか?




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仮想通貨は将来の貨幣になれるのか?

前回記事まで、過去から現在までの貨幣の変遷を見てきました。

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現在は、紙幣貨幣の中心ですが、将来はどうなっているのでしょうか。

50年後も、紙幣貨幣の中心として残っているでしょうか。

今後、紙幣貨幣の手段として残るかは分かりませんが、個人的には、

  • 紙幣が使えることは構わないのですが
  • 現金のみ」しか使えない店舗やサービスは困ります。
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紙幣のメリット・デメリット

紙幣のメリット・デメリット

紙幣のメリット

紙幣が財布の中に増える・減るという物理的な生産・消費の感覚を自覚することが出来ます。
正直、僕自身は貨幣としての紙幣にメリットを感じません。

紙幣のデメリット

わざわざ紙幣を使うためにATMから引き出すという時間を費やすこと。

自分の居住地に現金を置いている人は、

  • 銀行
  • コンビニ

に設置してあるATMに行く必要はありませんが、セキュリティ面では不安が残ります。

現金自動預け払い機

通称ATM(Automatic Teller Machine)と呼ばれている現金自動預け払い機。

  • 金融機関ATM(ゆうちょ銀行を除く)・・・109,000
  • コンビニATM・・・55,000<台(うち、セブン銀行ATM23,000)
  • ゆうちょ銀行ATM・・・27,300

合計で、約20万台。

全国に約20万台のATMがあり、偽札も出回らない日本では、キャッシュレス化が進まないわけです。

日本円の紙幣・硬貨の偽造防止技術に関してはこちら

日本円の紙幣・硬貨の偽造防止技術
日本円の紙幣・硬貨の偽造防止技術 物質的な価値において日本銀行券10,000円は製造原価約20円しかないのにも関わらず、日本銀行法の法的根拠も後押しして、日本銀行券10,000円で、10,000円の価値のあるモノやサービスが買えます。 ...

このATM、皆さんにとって便利かもしれませんが、設置している金融機関からすると費用がかさみます。

初期費用(1台当たり)

  • 単機能なコンビニ向け・輸出向けATM・・・200万円前後
  • 銀行向けの「生体認証」などの機能が付加されて高機能ATM・・・500800万円程度
    維持費用(1台当たり)/年間費用

  • 「保守費用」「警備費用」と「現金回収の費用」・・・約1,000万円(銀行においては「警備費用」と「監視システム」だけで約360万円のコスト)

日本の銀行業界では、1年間に2兆円もの現金の取り扱いコストが掛かっています。

20万台 × 約1,000万円 = 2兆円 

あおぞら銀行によれば、ATM事業から撤退することにより、年間数千万円のコスト削減につながるそうです。

このATM設置の初期費用・維持費用をコストカバーするため、ATM利用者から利用手数料を取っています。

セブン銀行のようなコンビニATM以外でATMを設置している金融機関はATMに関しての収支は赤字であり、出来る事ならATM設置は避けたいところです。
利用者も、

  • 利用手数料を払うか
  • 利用手数料を払わないため、引出し利用手数料が掛からない時間に金融機関に出向き現金を引き出す

要は、貨幣紙幣の現在、金融機関はATM設置は仕方なく行っているビジネスで、

  • 提供者の金融機関
  • 利用者

誰も得をしていないビジネスになっています。

  • ATM製造会社
  • 「現金回収業務」や「警備」をしている会社

は儲かっているでしょうが。

ATM全廃して、全国の店舗が

  • 電子マネー
  • クレジット・デビットカード

これらの支払い方法に対応にせざるを得ない状況になってほしいものです。

銀行強盗

警察庁の統計によると、日本での銀行強盗の件数はピークの2001年には既遂・未遂合わせて237の銀行強盗が発生しました。

2012年以降の発生数は年間30件台というレベルに留まっています。

銀行強盗の減少の原因は

  • 防犯カメラやカラーボールなどの銀行強盗対策の普及
  • 振り込み詐欺等の低リスクな犯罪にシフトしていること

と考えられます。

これに対して、キャッシュレス化が浸透しているスウェーデンでは2016年、スウェーデン国内で発生した銀行強盗事件の回数は2回だけでした。

勿論、完全にキャッシュレスな経済になれば、銀行強盗は起きなくなるでしょう。

ただ、銀行強盗という犯罪を減らす為に、紙幣という貨幣を止めましょうという考えは少し短絡的です。

近年では、銀行強盗は減少傾向ですが、ネットワーク犯罪は増加しています。

皆さんが、一生懸命働いた対価として得た、

  • 会社員の方なら、雇用契約に基づいた給料
  • 事業主の方なら、契約相手や顧客からの報酬

モラルのない人たちが、これらをインターネット等を利用して奪うことは、許し難い事です。

そのような点では、「銀行強盗」も「ネットワーク犯罪」も変わりませんが、

  • 人を殺傷
  • 物理的破壊

が起こる可能性がある「銀行強盗」は、紙幣貨幣の中心である限り無くなることはないでしょう。

クレジット・デビットカード・電子マネー

クレジット・デビットカード・電子マネー

クレジット・デビットカード

クレジット・デビットカード

クレジットカード(Credit card)・・・
creditを和訳すると「信用・貸方」。
利用代金を後で支払う後払い(ポストペイ)です。
デビットカード(debit card)・・・
debitを和訳すると「借方」。
「借方(かりかた)」という単語は、会計業務をしている方には馴染みの単語なのですが、普段生活していてなかなか聞き慣れない単語。
語源は、ラテン語の「負債を負っている」から来ています。
預金口座と紐付けられた決済用カードを指し、金融機関(一般的に銀行)が発行、このカードで決済すると代金が即時に口座から引き落とされる仕組みです。

日本では、クレジットカードが一般的でデビットカードはあまり普及していません。

インドでは、クレジットカードよりデビットカードの方が普及しています。

クレジットカードは信用取引なので、発行する前にクレジット発行会社に申込を行い審査を受ける必要があります。

デビットカードは支払いの際に、指定した銀行口座から即時引き落としなので、銀行に残高がないと支払いできません。

実質、現金がカードになっただけなので、デビットカード発行の申し込みの際は、審査も何もありません。

申し込み用紙に記入するだけです。

日本で、クレジットカードを使用せず現金を使う人の多くに散見されるのが、貨幣を使った感覚が無くて、金銭感覚が無くなる。との事のようですが、完全に感情論で物事を言っています。

今の時代、スマートフォンのアプリでクレジットカードの使用状況や銀行口座の残高がボタン一つで見れます。

買物というのは、自制心でコントロールできるものなので、買物の多寡をクレジットカードのせいにはして欲しくありません。

電子マネー

電子マネー

電子マネー・・・
情報通信技術を活用した、企業により提供される電子決済サービス。
法的に位置づけられた通貨など、いわゆる貨幣そのものではありません。

wikipediaによると、

電子マネーは、貨幣経済が実質的に貨幣という物品によってやり取りされていた所を、電子的なデータ(および通信→データ通信)によって決済する手法

とされています。

前回記事の「楽天ポイント」の所でも、話しましたが、電子マネーというのは、結局の処、各民間団体が独自に発行しているものであり、それぞれの経済圏でしか使えません。

【お金の歴史】貨幣はどのようにして誕生するのか
【お金の歴史】貨幣はどのようにして誕生するのか 現在、日本で使われている「日本銀行券」は、 政府・日本銀行の法的根拠 信用 があるだけで、物質的価値は約20円位です。 物質的価値が約20円位なのにも関わ...

つまり、電子マネーを発行した経済圏でしか使えません。

仮想通貨

仮想通貨

ここまで、貨幣に関する僕の記事を読んでくれている方は、理解して頂けている方かもしれせんが、経済学上、

  1. 価値尺度=商品の価値を測るものさしとしての機能
  2. 流通手段(決済手段)=貨幣は決済に使われると同時に、
    売り手と買い手の間を流通し続けるという機能
  3. 価値貯蔵=富の貯蔵手段としての機能

これらの機能を備えることが出来れば、貨幣の要件を満たすことになり、仮想通貨貨幣の要件を満たしております。

【お金の歴史】貨幣に必要な機能を探る
【お金の歴史】貨幣に必要な機能を探る 前回、貨幣の起源と言われていた物々交換について見てきました。 今回は、貨幣史に残る 物品貨幣 金属貨幣 紙幣 それぞれの貨幣について、経済学上の貨幣の機能を備え...

しかし、仮想通貨紙幣の代わりの貨幣になるのは、まだ先になりそうです。

僕も仮想通貨を所持していますが、

  • 仮想通貨を使える店舗が圧倒的に少ない事
  • 仮想通貨での支払いが全然便利ではない事

仮想通貨の仕組みや技術に関しては、次の貨幣に相応しいレベルですが、支払い手段としての仮想通貨は便利だなと思える段階まで来ていません。

ガラケーからスマートフォンが出来た時に感じた便利さを仮想通貨で感じることが出来るようなフェーズに来た時に、仮想通貨の普及が指数関数的に利用者が増える気がします。

まとめ

まとめ

貨幣の役割は時代によって変わり、貨幣の起源でも見て頂いたように、

  • 物品貨幣・・・信用関係(貸借関係)の記録として
  • 金属貨幣・・・計算貨幣として
  • 紙幣・・・中央銀行の借用証書として

変遷してきました。

今日本で日本銀行券を使って買い物・サービスを購入している僕らは、日本銀行の借用証書を押し付け合ってるという事になります。

経済学者のケインズ(1883~1946没)やフリードマン(1912~2006没)は、ヤップ島のフェを「貨幣の本質を示す好例」として引用しています。

ヤップ島のフェに関してはこちら

【お金の歴史】貨幣に必要な機能を探る
【お金の歴史】貨幣に必要な機能を探る 前回、貨幣の起源と言われていた物々交換について見てきました。 今回は、貨幣史に残る 物品貨幣 金属貨幣 紙幣 それぞれの貨幣について、経済学上の貨幣の機能を備え...

また、イギリスの哲学者であるジョン・ロック(1632~1704没)は金属主義(貨幣価値は、その貨幣の金属価値に帰属すべき)を論じ、それを通じて貨幣政策を説き、政府がジョン・ロックの助言の元、改鋳を行った結果、経済はデフレーションによる停滞を起こしてしまいます。

貨幣に、これが貨幣の定義だというものはありません。

しかし、僕の意見としては、「ヤップ島のフェのような信用取引を媒介するもの」が貨幣のあるべき姿かなと思っています。

現在、この形に最も近く、身近にあるものは、仮想通貨であるのは間違いありません。

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