【図解】刑事事件の流れを簡単に説明(逮捕から起訴)




【図解】刑事事件の流れを簡単に説明(逮捕から起訴まで)

裁判の種類には

  • 民事裁判
  • 刑事裁判

があります。

民事裁判では、訴えを起こした人・訴えられた人はそれぞれ

  • 被告・・・民事裁判で訴えられた側の当事者(行政訴訟も含む)
  • 原告・・・民事裁判を起こした人

と呼ばれるの対し、刑事裁判では

  • 被告人・・・刑事事件で検察官から公訴を提起(起訴)された者
  • 検察官・・・刑事事件で公訴を提起(起訴)する者

と呼ばれます。

被告・原告・被告人・検察官

行政訴訟と民事訴訟の違いは、

  • 訴える相手が国や公共団体の場合・・・行政訴訟
  • 私人(民間)同士による争いの場合・・・民事訴訟

になります。

公訴の提起(こうそのていき)・・・刑事訴訟法の用語で一般的には起訴と呼ばれます。

刑事事件における刑事訴訟には

  • 告訴
  • 告発

があり、両者の違いは下記の通りとなります。

 告訴告発
警察等の捜査機関に対して加害者の処罰を求める人犯罪の被害者被害者以外の人

また、

  • 被疑者(容疑者)・・・犯罪の疑いをかけられている者
  • 被告人・・・検察官から起訴された者

刑事事件の進展段階によって呼称が変わります。

 呼称
捜査機関から犯罪の疑いをかけられ捜査の対象となっている者被疑者(容疑者)
捜査機関から犯罪の疑いをかけられ,検察官から起訴された者被告人

この記事では、刑事裁判の逮捕から起訴までの流れを簡単に説明していきます。

刑事事件の流れ

刑事事件の流れ

刑事事件の流れを

  • 逮捕後の流れ
  • 送検後の流れ
  • 起訴後の流れ

それぞれに分けて説明していきます。

逮捕後の流れ

刑事事件流れ

被疑者は警察に逮捕された後、直ぐに警察による取り調べ等々の捜査が行われます。

この警察の捜査は48時間以内と決められており、警察は48時間以内に事実を聞き出す必要があります。

何としても被疑者から事実を聞き出す為に、半ば強引な捜査が行われる事もあるそうです。

 概要
留置所(りゅうちじょ)警察署内部に存在。
昼は警察署で取り調べ、夜は留置所で寝る生活。
拘置所(こうちじょ)送検後、裁判で刑が確定するまで入る場所。
被疑者は送検、検察庁に送られ、検察官の取調べを受ける。
刑務所(けいむしょ) 裁判で刑が確定した人が入る場所

日本では、起こした事件自体が比較的軽微なものであれば、微罪処分として、1 ~ 2日程度で身柄を解放されることとなります。

通常の刑事事件における逮捕されてから判決が下るまで

  • 警察官・・・送検(検察官送致)するかどうか判断する
  • 検察官・・・起訴するかどうか判断する
  • 裁判官・・・有罪か無罪か判断する

という流れなのですが、微罪処分は、警察官の判断で釈放されます。

この場合、裁判所で有罪にならなかったので、前歴が付かないと思われがちですが、微罪処分となった記録は、警察及び検察のデータには残る為、前歴が付く事になります。

微罪処分になるような犯罪の内容・・・

  • 被害が軽微(傷害の場合1週間以内)
  • 犯行が悪質でない
  • 被害者が被疑者の罰則を望んでいない

等々が、担当している警察官の裁量にもよって微罪処分かどうかで決まるそうです。

送検後の流れ

刑事事件流れ

被疑者は、逮捕後48時間以内の警察の捜査が終了すると、次は検察官へと身柄が移されます。

このことを送検(検察官送致)と言い、今度は検察官から捜査がされることになります。

検察官での捜査は通常24時間以内と決められており、引き続き被疑者との面会はできません。

24時間だけでは、まともに捜査をして

  • 起訴
  • 不起訴

の判断をするのは難しいと思いませんか?

その為24時間での捜査で判断ができない場合、検察官が裁判所に勾留請求を行ない、勾留期間を延長する手続きに入ります。

勾留(こうりゅう)・・・逮捕された被疑者あるいは被告人の逃亡や証拠の隠蔽を防ぐために,刑事施設に留置して身柄を拘束すること

裁判所から認められると最大20日の勾留延長がされます。

日本では、被疑者が罪を認めており、身柄を解放しても逃亡の恐れがなく、事件的に罰金刑が相当と判断されれば、略式起訴になる事があります。

略式起訴になる場合・・・

  • 簡易裁判所管轄の事件であること
  • 100万円以下の罰金・科料に相当する事件であること
  • 略式起訴について、被疑者の異議がないこと

刑事裁判の起訴率と有罪率

  1. 被害者や被害者以外の者の告訴・告発
  2. 警察による捜査
  3. 警察による送検

この過程を経て、検察官に身柄が移されますが、検察官は全ての被疑者を起訴するわけではありません。

被告人の有罪を立証する十分な証拠が揃わなければ検察官は起訴しません。

  • 検察官も暇ではないので、告訴・告発された案件を全て起訴する時間もありませんし
  • 有罪の立証が難しい案件を手掛けて、無罪判決が出た場合、その起訴した検察官の評判が落ちる可能性もあります。

法務省刑事局「平成27年の検察事務の概況」によると、検察官の事件処理状況の終局処分の内訳として、

 件数(件)割合
起訴処分37万145931.2%
不起訴処分73万993762.1%
家裁送致8万1606.7%

6割強の刑事事件が不起訴になっています。

検察官が起訴する = 「被告人の有罪判決を立証する証拠が十分にある」という事です。

実際に「法務省:諸外国の刑事司法制度」によると、日本の刑事事件の無罪率は約0.1%です。

諸外国の刑事司法制度

諸外国の刑事司法制度


出典:法務省

日本の刑事裁判は99%以上の確率で有罪判決が出るので、検察官が起訴した段階で有罪判決の可能性は高いです。

日本では、逮捕されると大手マスメディアが、

  • 既に有罪が確定したかのように扱い
  • 「容疑者」と呼ぶ

多くの日本国民は、逮捕者(被疑者) = 犯罪人 と勘違いする傾向が強いですが、推定無罪の原則からすれば、被疑者が「逮捕」されただけでは検察官が起訴・不起訴のいずれの判断を下すか分かりません。

被疑者を「有罪判決」を受けたの如く扱うのは、本人に冤罪の可能性もあるので、とても危険です。

推定無罪・・・「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という、近代法の基本原則。
「検察官が被告人の有罪を証明しない限り、被告人に無罪判決が下される(=被告人は自らの無実を証明する責任を負担しない)」ということを意味する(刑事訴訟法336条等々)

起訴後の流れ

刑事事件流れ

日本では、刑事裁判が開かれるのは起訴後1ヶ月程度だそうです。

起訴後は刑事裁判を待つ身となり、上記の図にあるように、起訴後勾留になるわけですが、ある条件のもと、保釈制度が使えることが出来ます。

保釈制度・・・国にお金を預けることにより、一時的に身柄を解放してもらう制度

求刑・・・刑事裁判の手続のうち、検察官が事実や適用される法律についての意見を述べ、検察官が相当と考える刑罰の適用を、裁判所に求めること。

以上、刑事事件の逮捕から起訴までの流れを簡単に説明しました。

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